最近はヨハネス山城という人がアゴラに相当頻繁に投稿されるようになった。この人はどこかの理工系の大学の先生だと思うが、話の筋は通っているし、大阪弁が面白いので、私もすぐにファンになった。更に、それだけでは芸がないので、私も今回と次回の二回だけ、この人の真似をして、大阪弁で原稿を書いてみることにした。毎週月曜日に、ブログというより「小論文」と言ったほうがよいような、私のクソ真面目な長い文章にお付き合い頂いている方々に、少しでも息抜きにして頂ければ幸いです。
ワシらガイジンとよう付き合うてる人間にとって、何が腹立ついうて、「慰安婦問題」ぐらい腹立つことはないでえ。「日本人ちゅうのは、兵隊がそこらから女の子をやたらに攫ってきて、『性奴隷』ちゅうものにするらしいやないか」と、面と向かって言われんでも、思われてるだけでもかなわんわ。
この前は、あるアメリカ人から、「マレーシアで聞いた話やけど、日本人は普段はニコニコしていて大人しいけど、突然人が変わったように、えらい残酷なことをするらしいな」と言われてショックやった。こんな陰口がどこかで広がってるんやったら、「日本人は仮面をかぶった異常者集団」と思われてるわけやんか。ほんま難儀なこっちゃで。
ワシかて、言われた時には丁寧に反論するけど、思われてるのはどうしようもないわ。橋下はんみたいに公衆の面前であんな事言うたら、火に油を注ぐだけや。腹は立つけど、今は知らんふりをしてるしか手がありまへん。「スルー」ちゅうやつやな。
そうでなくとも、日本人は色んなとこで誤解されとる。これは何とかせなあかん。そやけど、大概の韓国人みたいに、学校でそう教えられたりしていて、そう思い込んでる人らには、何を言うても無駄や。反発が倍になって返ってくるだけや。「事実関係もあんじょう検証もせんで、いい加減な教育をしてる韓国政府が怪しからん」と息巻いてみても、何も前には進みまへん。
結局は、両国の学者はんらの間で、時間をかけてじっくりと、先ずは「ええ、悪い」の話は後回しにして、「事実関係」だけに焦点を絞って、丁寧に歴史問題を議論して貰う事から始めるしかありまへん。時間は長くかかったほうがむしろええかもしれまへんな。
それから、歴史認識を学問的に議論するんやったら、中立的な外国人を入れたほうがええ。それも、フィンランド人とか、コロンビア人とか、何かとんでもなく遠いところの人のほうがええ。こういう人に、韓国と日本の間を行き来してもろて、両方の言い分をよくきいてもろたらよろしい。但し、買収されたらいかんから、「お互いに接待はナシ」という約束はしとかんといかんけどね。
本当は、韓国に心情的に思い入れのある日本人とか、日本人の気持をよく理解できてる韓国人とかに、中に入ってもらったらええんやけど、これはうまくいかんやろなあ。この人らは、どんなええ事を言うても、「反日」とか「半チョッパリ」とか言われて、攻撃されるのがおちや。「最近、アベちゃんが呉善花はんという日本に住んではる韓国人の女性の学者はんと食事をした」というだけで、韓国の人らはえろう反発してるという話をきくにつけても、そう思わざるを得まへん。
ワシはこの呉善花はんという人の本を読んで、李王朝時代から続いてる「儒教の価値観」について書いてはるところが特におもろかったので、「あ、この人、よう分かってはるやん」と思うたけど、韓国では、この人には「極右、反韓」というレッテルが貼られていて、「いや、そんな人間は実在せず、日本人がなりすましているだけ」と言う人もいると聞くから、もうどうにもなりませんわ。
ワシかて日本人やから、事実関係を平気で曲げられて一方的に攻撃されたら、カッカしまっせ。そやけど、大人やから、現実的に意味のある事だけを考えるわ。ワシの友達の中にも、「黙ってたら認めたことになるやん」という人は多いけど、「どうしても言うておかないかん事があるんやったら、それは政府に関係してない人が言うたらよろしい」というのが、ワシの意見や。
こういうことを議論しだしたら、日本人の中にも、誰とは言わんけど、必ず筋の通らん事を言う人も出てくるから、折角の正論もこれとごっちゃにされて、却って通らんようになってしまうわな。そうなると、韓国人のロビー活動が活発なアメリカでは「右傾化する日本」に対する反感が生じかねんし、そうなると、北朝鮮に対する対応でも、一枚岩になれんようになってしまうかもしれん。
そやから、政治的には、まだ20年か30年は「村山談話を踏襲します」と念仏のように唱えてたほうがええ。時間が経てば、韓国でも日本でも、「とにかく鬱憤を晴らしたい」というような人は少なくなり、公平で冷静な考えを持つ人の比率のほうが高くなるやろ。アベちゃんには我慢してもらうしかない。
これで今日の話はお終いやけど、この記事に変な表題を付けてしまった事もあるし、ついでやから、ちょっとだけ無駄話もさせて。
昔インドネシアにいた時に、「オランチャイナ(中国人)はカネばっかり、オランジャパン(日本人)はオンナばっかり、オランインドネシア(インドネシア人)は苦労ばっかり」という言葉を聞いて、当時若かったワシはあんまりおもろなかったけど、こう言われてたのには、実はそれなりの理由もあったんですわ。
中国人の華僑は、それぞれの国に根を張って、将来にわたって一族の繁栄を計ろうとしてるから、必死で金儲けせなあかん。これに対して日本人は、どうせそのうちに国に帰るのやからと考えて、刹那的な気晴らししか考えんかったというこっちゃ。別に日本人がとりわけセックス好きやちゅうわけやないでえ。
いや、日本人はむしろセックスについては淡白なほうやないやろか。昔、あるフランス人が「日本人がセックスに弱いのは、いつも熱い風呂に入っているからに違いない」と、どこかに書いてはったのを読んだことがある。
まあ、これは見当外れもええとこやし、「いい加減な決め付けも大概にしてや」と言いたいとこやけど、肉食系の欧米人と比べたら、ひょっとしたら、日本人は草食系の元祖やったのかもしらんよ。少なくとも「性奴隷』なんちゅうオドロオドロしい言葉には、日本人はあまり馴染まん人種やと思うわ。