屋久島からの12時間脱出劇には、バトラーが大活躍してくれた --- 内藤 忍

アゴラ

昨晩、屋久島から戻りました。昨日の屋久島は朝から荒れ模様の天気。14:40屋久島発の飛行機で鹿児島に戻る予定でしたが、悪天候で午前中の飛行機は全便欠航。このままでは、帰れないリスクが出てきました。

次の日の10時半から予定が入っており、どうしても帰る必要がありました。

屋久島から鹿児島に行く方法は三つあります。飛行機、トッピーと呼ばれる高速船、そして一般のフェリーです。


12時の時点で、私が乗る予定の飛行機は欠航が決定、さらに13時半発のトッピーも欠航になりました。そこで、フェリー乗り場に行って、出発ギリギリまで飛行機の運航開始の可能性を待つという戦略にしました。

フェリーも欠航になるリスクがあったのですが、何とか1時間遅れで出発。飛行機なら30分のところ、何と4時間以上もかかるのですが、確実に鹿児島に行くために、1時間遅れで14時半に出発したフェリーに乗り込みました。

鹿児島に着いたら19時近く。そこから、タクシーに乗り換え空港まで約1時間。ようやく鹿児島空港に到着でき、20時40分の羽田行最終便に乗って、深夜に自宅に戻ることができました。

後から知ったことですが、屋久島発の飛行機は最終の17:55発は欠航にならず、これに乗っていれば、鹿児島空港に18時半に到着し、19時発の1本早い羽田行に乗れていたことになります。さすがにお昼の時点で一発勝負はできなかったので、勿体ないとは思いますが、選択としては正しかったと思っています。

今回、本当に頼りになったのが、宿泊していた「SANKARA Hotel&Spa 屋久島」さんのバトラーです。こちらの要望を伝えると早速テキパキと対応策を考えてくれました。

12時の時点ではまず、フェリー乗り場に連れて行ってくれて、ホテルのフロントと最新情報をやり取りして教えてくれました。フェリーを待っている間、念のため飛行機の予定も変更して、フェリー出航前に乗れることが決まったらスイッチできるよう対応してくれました。結局、フェリーが出るまでに飛行機の運航再開がわからなかったので、屋久島からのフライトはキャンセルになりましたが、2重3重に対策を取っていただき、ベストの選択ができるようにしてくれたのは本当に有難かったです。

ホテルからフェリー乗り場に送っていただき、さらに2時間近く、フェリー乗り場で横に付いて、情報収集をしてくれたバトラーさん。緊急時にこのようなサービスの価値が一段と光ります。

バトラーさんの話によると、このように島が悪天候で交通機関がマヒすることは、年に数回あるらしいですが、人によって対応が2つに分かれると言います。

殺気立ってイライラする人と、現状を受け入れて達観する人。

どちらにしても、結果は変わりません。だったら、自分に出来るベストの選択をして、後はなるようにしかならないと達観してしまった方が良いと思いました。

結局、帰宅するのに12時間近くかかってしまいましたが、これもまた離島の旅の醍醐味です。何とか東京に戻れただけでも、ラッキーだったと思うようになりました。もしかしたら、屋久島が帰らないで欲しいと引き留めたのかな?そんな風にも思えてきました。

大自然と優しい人々が暮らす、魅力的な島。いつも思うことですが、日本にはまだ自分が知らない素晴らしい場所がたくさんあります。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年6月27日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。