まだまだ根強い人種差別への効果的対処法 --- 安田 佐和子

アゴラ

西暦2013年を迎えますが、残念ながら人種差別は存在します。日本だけでなく、多人種国家のアメリカなら、なおさらです。

世界中の人々に衝撃を与えたアシアナ航空機着陸失敗事故については驚くべき情報が飛び交っていますが、アメリカでは嫌悪感を伴わずにはいられないツィートが駆け巡りました。ここで取り上げるべきか悩みましたが、これもアメリカの現実と思い、ご紹介いたします。

出所は、チェンジラブ(Changelab)。日系アメリカ人をはじめアジア系が組織する人種差別撲滅を目指す草の根団体がツィートをそのまま掲載していましたが、こちらはではプライバシーを配慮して加工しております。

「アジア人は飛行機を操縦できないってわけね、早過ぎた?」←操縦するのが早過ぎたってことなんでしょうか。
01

「パイロットはアジア人だったのさ、斜視じゃ滑走路が見れないだろ」
02

「squinting=斜視の」なんですよね。「chinky eyes=細目」に続く、アジア人蔑称の双璧です。

こんな差別は、残念ながら根絶されることはないでしょう。怒っても仕方ありません。こんな人々と争っても、白髪やシワの原因になったり胃痛や不眠に苦しんだり、ストレスであなたの健康が阻害されるだけです。立ち向かう勇気が必要な場合もありますが、大抵は早急に立ち去ることをおススメします。

一番効果的な撃退法は、一休さん並みにトンチとパンチが利いたジョークですけどね。相手のバツが悪くなり、周囲も一笑に付すことができ、あなたの評価が上がること間違いなし。例えば「chinky eyes」と呼ばれたら、目にかけて「You’re shortsighted, right?(近眼だよね=視野が狭いね)」なんて応酬するのは、いかがでしょうか。

私もマンハッタンから見てイーストリバーの向こう側、クィーンズに引っ越したばかりにあたる2年前にタクシー運転手からよく差別を受けました。タクシーに乗り込んでから、目的先を告げた後「礼拝に行かなくちゃいけないんで、遠出できない」なんてハチャメチャな理由で乗車拒否されたこともございます。ある日なんかは、力ずくで車から引きずり出されました……。そんなときは、こちらで書きましたようにタクシー・リムジン委員会(TLC)に苦情を寄せましたっけ。

あれからタクシーを利用する頻度が減ったのも事実ですが、乗車拒否に遭う回数も減りました。私以外にも差別された乗客が対応したんでしょうね。差別に直面した場合はその場で争うのではなく、大抵は対応窓口がありますので苦情の届出先を見つけて下さい。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2013年7月11日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。