フェイスブック、取引終了後に約20%も急騰しました~。
決算が引き金です。4~6月(第2四半期)では、1株当たり利益が19セントとなり市場予想の14セントから大きく上離れしました。売上高は前年比51%増と飛躍的な伸びを実現し18億1000万ドルと、市場予想の16億2000万ドルなんてゆうに超えてます。もちろん、けん引役は広告で16億ドル。前年比61%も急増したおかげで、全体の88%を占めました。ニュースフィードを駆使した広告をはじめターゲット型広告プログラムの導入など、収入につながる新たな試みが奏効したかたちでございます。
RBCキャピタルのアナリストであるマーク・マハニー氏は、期待以上の携帯端末で成功を受け「携帯端末での売上に遅れを撮ることなく、先手を切った(a head of the curve)」と評価しておりました。
売上は広告収入を支えに、着実に増加中。
投資家の注目は、携帯端末の売上高。1~3月期は全体の30%でしたが、4~6月期は大幅に躍進し41%にまで高めております。喜ばしいことにLINEやスナップチャットの簡易メッセージが勢いを増すなか、携帯ユーザー数は8億1900万人と1~3月期の7億6500万人を上回り、売上に寄与しました。全体の利用者数も1~3月期の11億1000万人から11億5000万人へ増加しております。
強いて欠点を挙げるなら~デスクトップでの広告収入が前年同期比4%減だったんですよね。1日当たりのユーザー数が26%増だったのですが、携帯への広告シフトが鮮明になった場合はカンニバリゼーションで収入全体が縮小するリスクも捨て切れません。マーク・ザッカーバーグCEOは、カンファレンス・コールで「今後は携帯端末がデスクトップの収入を追い越す」と断言してましたから、杞憂といわれそうですが。
好決算なら当然の20%急騰といえますよね。その上、プラスαがあったとすれば、なおさらです。
フェイスブックに、こんな機能があったら……なんて想像していた方には朗報!!
実は……「よくないね!(dislike)」機能が向こう数ヵ月以内に登場するんですって。ABCが伝えております。
とはいえ、現状の「いいね!(like)」と同じ機能を有しているわけではありません。
フェイスブックのエンジニアであるボブ・ボールドウィン氏がかつて「『いいね!』は軽く自分の趣味をポジティブに表すツールであって、ネガティブなものに価値は見出せない」と断ってましたし、投稿者を傷つけるような代物を用意したわけじゃないんです。じゃあ何のためかですって? もちろん、フェイスブックの収入源である広告主と他ならぬフェイスブックのデータ収集がねらい。フェイスブックが収入を広告に依存するだけに、画期的となりえます。
ニュースフィードに掲載された広告を二度と表示しない自由を与えるため、ニュースフィードが広告だらけになるリスクを嫌気した利用者にとっては朗報と言えるでしょう。何より、利用者のフィードバックを受け取る広告主、そしてフェイスブックにとっても効果的なツール。互いにウィン・ウィンな「よくないね!」こそ、「いいね!」そのものに化ける可能性を秘めております。
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2013年7月26日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。