マレーシアのクアラルンプールに来ています。金曜日の朝は丸の内朝大学のマネークラスの授業を8時15分に終えて、成田エキスプレスで10時に成田空港へ。11時半のフライトで夕方に到着しました。
不思議なことに、東京よりも涼しく夕方の気温は25度。湿気はありますが、気候は涼しく感じます。しかし、街の熱気は東京とは比べものになりません。
現地の不動産会社の方のお話によると、最近マレーシアにやってくる日本人の客層に変化があるそうです。
以前は比較的若い会社員のような方が多かったようですが、最近は富裕層の人の比率が高まり、東京からだけではなく、シンガポールからも不動産の視察に来る人が増えてきたそうです。
現地通貨が円に対して強くなっていることと、現地の物件価格が上昇していることから、円ベースでの購入金額が上昇し、一般の人では手が出しにくい価格帯になってきているのが背景にあるようです。
為替の円安はともかく、現地の物件価格が上昇すると、もしかしたら不動産価格が割高になっているのではないかという懸念が出てくると思います。マーケットには過熱によるオーバーシュート(行き過ぎ)がありますから、確かに適正価格を超えて上昇していくことは、珍しくありません。
その過熱感を測る尺度の1つとして、賃貸利回りから考えていく方法があります。先進国の不動産投資では、その国の長期国債金利に比べて、不動産の利回りがどの位高いかを計算し、それが投資に対するリスクプレミアムとして許容できるかを判断するのが一般的です。
例えば、日本の長期国債が1%で、不動産が4%の利回りであれば、3%の超過リターンがあることになります。それが、投資のリスクに見合うかを考えるということです。
新興国の場合は、そもそも投資対象国としてのリスクがありますから、それに加えて、不動産のリスクを上乗せして考えなければいけません。このような投資の尺度を無視して上昇する局面があったとしても、それは長期的には続かないのです。
4か月ぶりにやってきたマレーシア。今回はクアラルンプールだけですが、投資対象としての魅力を自分が投資するかどうかという視点で、じっくり見たいと思います。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年7月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。