自分の胃の検査にバリウムを飲んでいる医者はいない --- 内藤 忍

アゴラ

大腸の内視鏡検査を明日受けることにしました。2か月以上前に予約を取ったのですが、埼玉にある病院まで行くことにしました。以前、ブログに書いた健康診断の効果について、専門家の立場から非常に理の通ったコメントを頂き、せっかくお願いするならその方にということでお世話になることにしたのです。一度も行ったことの無い病院ですが、検査前に送られてくる説明書は前日から食べる検査食など、スムースな手続で、病院としてのクオリティがとても高いことが行く前から感じられます。


今日は検査前日ということで、食事制限が始まりました。朝はなぜかメロンパンは食べて良いということなので、40年ぶりくらいにメロンパンを買ってきて食べました。お昼と夜は、病院から送られてきたレトルトの食事を摂ります。

検査当日は、朝から検査用の薬を飲んで、下剤も時間を決めて飲むことになります。それから午前中の検査のために病院に向かうのですが、下剤を飲んで電車に乗って大丈夫なのでしょうか?初めてのことなので色々心配なこともありますが、病院の指示書通りに準備をしたいと思います。

内視鏡での検査をしようと思ったのは、胃腸の健康は、バリウム検査と便検査では守れないと思い始めたからです。

胃の検査と言えばバリウムが定番ですが、「胃の検査にバリウムを飲んでいる医者は誰もいない」とのことです。検査士が1人で対応でき、大量の検査を短時間にできる簡便法では、正確な胃の症状を知ることができないのです。

腸の検査も同じです。健康診断では採便して、検査してもらう方法が主流ですが、これも腸の異常を事前に発見する効果は低く、異常が発見された時には手遅れになってしまっているリスクがあると言います。

自分の健康状態をチェックするには、費用や体への負荷とリスクを考慮して、自分で選んでいく必要があります。しかし、そのためには「利害関係のない専門家」の意見を聞く必要があります。

健康診断の専門家の医者であっても、自分がバリウム検査に関わっている人であれば、その検査の正当性を主張する可能性があります。利害関係がある場合、その人の意見にバイアスがかかっていないかを判断するのは素人には難しいことです。

金融商品で言えば、銀行の窓口で「資産運用の専門家」に相談しても、手数料の高い商品を案内されるだけで、本当に必要な金融商品に辿り着けないのと同じことです。

また、知識の無い人に意見を聞いても正しい判断はできません。事実に基づいて客観的な判断ができる立場の人の意見を聞くことが大切です。やはり、健康診断のことは、専門の医者の方の意見が最も信頼できるはずです。

初めての腸の内視鏡検査。胃カメラはかなり苦手なのですが、腸はどうなのでしょうか? 検査前日から既に緊張していますが(笑)、年に一度の定期検査をこれからもやっていこうと思っています。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年8月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。