QE縮小以外にも顕在化する3つのリスク・ファクター --- 安田 佐和子

アゴラ

量的緩和(QE)縮小に対し思惑が交錯するなか9月に差し掛かり、遂にマーケットが動き出しましたね。

QE以外でも、あらためて別の火種がくすぶり始めています。

1つは、シリア問題。

ケリー米国務長官は26日、「シリアが化学兵器を利用した」と声明を発表。米国が使用を断定し、行動に出る可能性を示唆したわけです。ワシントン・ポスト紙では、政府高官の話として「短期的な軍事攻撃に踏み切る場合がある」と報道。2~3日間に巡航ミサイルか長距離爆撃機を用いる選択肢を挙げていました。

世論調査では、軍事介入の支持者は36%と少数派なんですが……。

2つめに、債務上限問題。

ルー米財務長官は26日、連邦債務が10月半ばに上限に達すると警告。書簡にて ベイナー米下院議長などに対し「緊急措置を10月半ばで使い果たすと予想されている」とし、「できる限り早期に」債務上限を引き上げるよう求める書簡を送付しました。現状、米議会が9月第2週まで休会である点を踏まえると、協議を行う時間的余裕は限られています。共和党寄りのフォックス・ニュースの世論調査で、米議会に夏休みは必要なしとの回答が82%だったことを真摯に受け止めていただきたいものですね。

3つめに、米7月雇用統計をはじめとした米指標。

米連邦公開市場委員会(FOMC)の動向をうらなう上で重要な指標が山積みです。8月29日(訂正:28日は誤りでした、お詫び申し上げます)には米4~6月期国内総生産(GDP)改定値が挙げられます。エコノミストの間では速報値の1.7%から2%乗せへの上方修正を予想されており、仮に2%半ば近くまで引き上げられると、6月時点でのFOMCメンバーによる見通し「2.3~2.6%」は下方修正免れるかと。8月30日の米7月個人消費支出・所得およびPCEデフレーターも大事ですよね。

そして、当然9月6日の米8月雇用統計は見逃せません!20万人近いペースを維持できれば、米4~6月期GDPなどの指標も合わせあらためて9月17~18日に行動に移す可能性をにらんでくるわけで・・。

もうひと波乱がありそうな9月。ベルトを締めて、乱気流に備えたいところです。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2013年8月28日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。