「敬遠」を乗り越えてこそのホームランキング

アゴラ編集部

ヤクルトスワローズのウラディミール・バレンティン外野手が、昨日9月10日の広島戦で前田健投手から54号2ランホームランを打ち、日本プロ野球の年間ホームラン記録にあと1本と迫りました。果たして王貞治、タフィ・ローズ、アレックス・カブレラが持つ55本を超えるのか、注目を集めています。残り試合は23試合。早ければ、明日明後日の広島戦か13日からの阪神3連戦で記録に並ぶのはおろか記録更新も充分に期待できます。


広島はAクラス入りを賭けた昨日の試合、ヤクルトに9対3で快勝したんだが、1回2死でバレンティンに54号をエースの前田投手で献上した、というところが不甲斐ない。ヤクルトは現在、最下位。バレンティンの記録しか話題に上らないチームです。今週はずっと神宮球場なので、観客動員もスゴいことになりそうなんだが、願わくば24日から神宮に巨人を迎える3連戦で大記録を達成してもらいたいもんです。

ところで、ホームラン記録というと出てくるのが「敬遠」です。勝負を避け、打者を四球で歩かせる。正式には敬遠は「故意四球」といいます。表題ブログでは、松井秀喜の例が出てくるんだが、1992年夏の甲子園、星稜高校と明徳義塾高校との試合で星陵の松井は5打席連続の敬遠を受けました。また西武のカブレラは、ホームラン記録を阻むための敬遠に抗議する意味で、逆の打席に立ったりバットを逆に持ったりしたことがあります。

しかし、日本で最も敬遠を受けたのは王貞治です。大リーグでも敬遠の例は少なくない。王はプロ野球人生で427も敬遠されたんだが、大リーグのバリー・ボンズは688で、こっちのほうもかなり多い。ボンズは2004年に120も敬遠されています。また、松井は「5打席連続敬遠」されたことが、その後の大きなエネルギーになった、と語っている。バレンティンの場合、残り試合数が多いので、サスガにずっと敬遠され続けることはないでしょう。表題ブログが書いているように「ダントツ」で抜き去っていけば、王らの記録に対する変な「タブー」もなくなり、日本のプロ野球もずいぶんスッキリするんじゃないかと思います。

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松井秀喜とラミレスの言葉で考える、55本塁打と、敬遠と、“日本人”。


オリンピックに向けた新線?江東区の地下鉄計画
genya2000::blog
2020年までの間に東京はどんなふうに変貌するんでしょうか。楽しみでもあり心配でもあり、悲喜こもごもな感じになりそうな予感がします。東京五輪といえば、1964年のものを思い出すんだが、実は1940(昭和15)年に開催されることが決まってました。日中戦争が激化し、日本政府が辞退して実現しなかった。その前の回の1936年には、ナチスドイツがベルリンで五輪をやって大成功を収めています。1940年の五輪は、東京と同時に冬季五輪を札幌で行う予定だったそうで、実現していたら夏冬の五輪開催で大変なことになっていたでしょう。そもそも駒沢オリンピック公園は、駒澤ゴルフ場だったものを1040年五輪で使う予定でした。その後、旧陸軍の駒澤練兵場になり、その後は駒澤野球場から東映フライヤーズの本拠地を経て1964年の東京五輪のために使われた、というわけ。また、埼玉県戸田市にある戸田漕艇場は、幻になった1940年東京五輪の遺物です。

日露戦争直後、東京を火の海にした暴動「日比谷焼打ち事件」と大正デモクラシー
Kousyoublog
国内の不満を解消するための戦争、というものがあるんだが、日清・日露の二つの戦争で勝ってしまった日本人が勘違いした、という議論があります。帝国主義の時代に限らず、国家にとってナショナリズムを昂揚させることは国内をまとめるために必要なことです。しかし、国民の意識の高揚は、国家に対する反逆につながりかねない。中国が抱えるジレンマもこのあたりにありそうです。大衆のエネルギーをうまく利用すれば、国家独占資本を潤わせる戦争を起こすことができる。人間というのはは、数がそろうと怖い存在です。

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Living, Loving, Thinking
キャンディス・バーゲンといえば1967年の映画『パリのめぐり逢い(Vivre pour Vivre)』ですよ。確かに『ソルジャーブルー』や『風とライオン』の彼女も良かったんだが、フランス語を流ちょうに操り、イブ・モンタンと丁々発止に演じた『パリのめぐり逢い』は白眉です。クロード・ルルーシュ監督のこの作品、ちょっと過激なドキュメンタリー映像を織り込んでるせいかどうか、日本ではDVD化もされてない。ナントカして欲しいです。あと、シドニー・ポワチエ夫人のジョアンナ・シムカス。『冒険者たち』の彼女は最高ですな。ま、ハリウッドはユダヤ資本が強いので、彼らの好みがキャスティングにも反映される。特に美女とも美男とも言えない、バーブラ・ストライサンドやダスティン・ホフマンなんて、その代表格だと思います。

ウェブの未来を担う次のUIデザインは「カード」にあり
GIGAZINE
これはなかなか興味深い記事です。カードと言えば、古典的名著『知的生産の技術』なんてのがあるんだが、情報を管理したり、頭の中を整理したり、人が操るのに適したサイズだったり、重ね合わせたり引き出したり、カード型のコンテンツはかなり便利です。そういえば、アップルもカードにギミックを埋め込み、スタックという集合体を構成する「ハイパーカード(HyperCard)」というのを作ってました。iOS版の「ハイパーカード」は今でもありだと思います。


アゴラ編集部:石田 雅彦