デジタル教科書の利点調査結果を教えてください。

竹内 裕人

中村 伊知哉さんのデジタル教科書推進について、とても疑問に思い、投稿いたします。

ここ最近、ツイッターで辻元さんとバトルを繰り広げていたのを拝見していました。

昨日の中村さんの記事でまとめていただいているので、ますます中村さんが気になりまして。

遅まきながら、中村さんの質問と自分なりの回答を書いてみました。


ご質問は中村さんのブログをご覧ください。

Q1 (略)、プラスの成果は(略)全世界から報告されている。(略)非デジタル学習のほうが学力向上効果が高いという成果、評価を示してもらえませんか?

A1 そのままお返ししますが、デジタルによる学力向上効果について、その報告を提示してください。報告の義務は推進派にあるでしょう。感覚的には数千人、数万人以上の、かつ、数年分の統計データくらいは提示してほしいところです。(統計上有効なサンプル数に詳しい方がいらっしゃれば、アドバイスお願いします)
中村さんのツイッターで、「4)日本視聴覚教育協会が電子機材を用いると生徒の興味・関心が高まり、集中して復習に取り組むようになったなどなど多数の効果・事例を挙げている(略)」など、18まで利点とされる内容を書かれているのですが、いずれもソースが無くて困っています。是非ソースを並べていただきたいです。また、ぱっと読んだだけでは疑問に思えるものが多数です。
また、こちらのブログでは、「成果は出尽くしてる。100年後も効果や成果を問うことはできる。だから、それを待ってたらいつまでも実施されません。」とされていますが、事前にサンプルを取るのは基本だと思います。億単位のタブレットを毎年配るわけですから、サンプル取るくらいやるものでしょう。交通調査のごとく是非提示願います。

Q2 (略)世界と瞬時につながり、映像も音楽も利用・生産できるなど、デジタルにしかできない効用があると思うが、アナログはその機能をカバーできますか?

A2 授業中に個々が世界とつながる必要性はどういったものがあるのでしょうか?児童生徒全員に渡す必要性が思いつきません。映像、音楽の利用については大画面テレビやプロジェクターでも十分ではないでしょうか。映像、音楽の生産はできても、そこまで義務教育でやる必要性が分かりません。他のことを勉強してはいかがでしょうか?教育は最低限でいいのではないでしょうか。

Q3 (略)インセンティブを高めることに関するアナログの優位性は何なのかを教えてもらえませんか?

A3 インセンティブ=やる気とするなら、やる気スイッチは授業のおもしろさでしょう。教科書が紙でもデジタルでもどっちでもいいと思います。先生の成長なり、先生の工夫なり、できない先生をできるようにすることがベースにあり、かつ、親が先生の話を聞くように入学前に教育することが大事でしょう。

Q4 (略)紙のドリル学習のほうが画一的でないとする理由を教えてもらえませんか?(略)

A4 教科書の内容次第では無いでしょうか。教科書がタブレットやパソコンになったからと言って、○×の選択法ばっかりを教えるわけでは無いでしょうから。また、多様な考えは世界の人のものまで集めなくてもよろしいかと。もちろん、入手できるに越したことはないですが、わざわざ個別に集めさせる必要性が分かりません。

Q5 (略)、アナログ授業でも書かせなければかかないし、デジタル授業でも書かせれば書くし、つまり、問題はデジタルかアナログではなく、授業の内容だと思いますがいかがですか?

A5 そのとおりだと思います。であれば、どちらでもよいでしょう。

Q6 目が悪くなり姿勢が悪くなるという指摘について、(略)、それはデジタルかアナログではなく、授業の内容だと思いますがいかがですか?

A6 姿勢は授業と関係なく、しつけでは。家でしつけ、学校でも1年生の時に姿勢について私は授業を受けました。家での教育も大切で、デジタルには関係ないでしょう。目の悪さというより、少なくとも目の疲れは紙よりは出るでしょう。あとは、その影響がどれくらい出るのか、調査を待つところでしょう。

Q7 (略)、本当に先生が使えないと言っちゃって大丈夫ですか?(後略)

A7 先生はがんばるしか無いですね。

Q8 コストがかかるという指摘について、(略)、道路工事を休んだらできちゃう規模で、工事4日休んで全ての子どもにタブレットを!程度の話なんですけど(略)?

A8 中村さんが出さなければならないのは、現在の紙の教科書の費用ではないでしょうか。ネットで調べる限り、見当たりません。1冊いくらで5教科6年間で合計いくらかかるのか。タブレットにすればいくら安くなるのか。変化の際にはコスト削減も一つの利点でアピールポイントでは無いでしょうか。
たとえば、1冊1000円とすれば、小学校6年通しなら国算理社図道音の6教科×6年+中学校の国数理社英音の6教科×3年で54,000円。タブレットが一つ5万円として、教科書ソフトがいくらになるか。紙がデジタルになって54,000円が5万円になったとして、デジタルは10万円。差額の4万6千円で教育効果は大きく出るのか? など、具体的にご指摘なさってはいかがでしょうか。

Q9 (略)、隣の学校では使ってるのにうちは使えないのは不公平という格差問題のほうが大きくなると思うが(略)?

A9 予算は限られていますから、やるなら順次進めていけばよいでしょう。公立学校に施設ムラが発生するのはよくあることです。

Q10 (略)、産業領域としてボリュームがないと投資が行われず技術も進まないので、それでよいなら日本はアメリカや韓国の機械や教材を導入することになりますが(略)?(略)教育に多くの投資が集まり、GDPのうちの多くが消費され、教員を含む関係者の収入が上がり、教育産業輸出国家になることの何が悪いのでしょうか?

A10 現在の紙の教科書も十分に産業です。教科書の内容自体は今のものを改良し、移行すればよいでしょう。端末はiPadやアンドロイドのタブレットを使用するのか、専用端末を準備するのか存じませんが、中村さんはどうお考えなのでしょうか。国産のタブレットをお考えなのでしょうか。入札になれば、他国が取ってしまうのもあり得るのではないでしょうか。
それを横取りしたい企業がデジタル化をがんばってるのではないでしょうか?もうデジタル化できてるし、派手な演出も任せてくれ!とか。質が下がらなければ、それでいいのではないでしょうか。ただ、アメリカや韓国の教材を日本で使うのは、国としての方針とは合わないでしょうから、そもそも使われないのではないでしょうか。
また、日本の教育を海外にそのまま輸出は不可能では無いでしょうか。輸出の話はタブレットやパソコンなど、端末だけではないのでしょうか。それは端末メーカーさんががんばればよいことではないでしょうか。

Q番外 (略) どうすればいいんですか? 推進する首長たちは、リスクを取り、コストを払い、説明も怠りません。一方、反対派は体を張ってでも止めるべきだと思いますが、そんな話は聞きませんよね?(略)

A番外 売り言葉に買い言葉になるなので、省略です。

中村さんには、まずはデジタルの有効性の結果を提示いただきたいです。ブログを拝読するところ、私には、

「海外ではやってるから、乗り遅れるな!効果?あるある!見せないけどね!とりあえず、やればいいでしょ!」

としか読み取れないのです。(とはいえ、「石橋を叩いて渡る人」と「取り敢えずやってみる人」 内藤 忍でとりあえずやる、というのであれば仕方ありませんが…)

ちなみに、私はどっちでもいいです。それよりも、先生の負担を減らす一方で、質を上げて子供が勉強したがる、授業を受けたがるような指導ができるようにしてほしいです。