羽田の国際空港化が進む中、来年3月からの枠が40枠増え、国内航空会社はANAが11枠、JALが5枠という配分となりました。JALは相当の不満があるようですが、まずは羽田の日中枠が増えたことを素直に喜びたいと思います。
私のようにバンクーバーと日本を行き来しているものにとってカナダ線がANAに振り分けられたことでバンクーバー羽田線の開設に期待をしています。成田線を持つJALの場合、機材が小さい上に成田をハブとして香港やインドに飛ぶお客様が多くいつも混雑しているのが現状です。羽田の場合、国内ハブとなりやすいわけですから客層は大きく変わるはずで国内線に圧倒的強みを持つANAの羽田乗り入れとなれば日本人客はANAに流れやすくなる可能性は大いにあるかともいます。
カナダ路線のように成田発しかない現状を考えれば日本各地からの集客では羽田が圧倒的に有利ですが東京に住む人にとって羽田と成田、どちらが有利でしょうか?
羽田から品川まで京急で最速12分なので成田から日暮里の京成スカイライナーの36分とは3倍の開きがあります。更にスカイライナーの場合、特急料金が1200円別途かかることが不利な点でしょうか? 更に京急はほぼ10分間隔、スカイライナーは約30分間隔という点も考慮しなくてはいけません。一方、東京の北部や東部に住んでいる人には成田の方が早く便利ということになります。私の場合、池袋方面ですから羽田も成田も絶対的な差とはなりませんが、羽田が10~15分位有利ということになりそうです。
ニューヨークなどでは空港が3つぐらいあり、それぞれの特徴を生かしてフライトがあり昔からうらやましいと思い続けていました。東京もようやくそれが実現するわけで喜ばしいと思います。
今後、成田と羽田の棲み分けは必要になってくるかと思います。日本は昔からハブ空港の欠如によりソウルなど他の大都市空港に遅れをとっていました。アジアのハブという点、また、北米からのゲートウェイという点からしても成田は立地的に有利にあるわけですから戦略の変更が求められるかもしれません。また、中国の主要空港は定時発着がきわめて悪いということもあり、時間がしっかりしている日本の空港が逆に売り込めるかもしれません。
一方で昨日も成田空港から飛び立つ時、なかなか動かないと思ったら機長アナウンスで6機待ちで15分ぐらいかかると苦笑い交じりで放送されたのが印象的でした。混んでいる空港は珍しくありませんが、成田はその点はもう少し改善の余地があるのかもしれません。
ところで今回の配分においてJALは今回も苦渋の結果となったようですが、やむを得ないと思います。再生の際、国に相当の援助をしてもらったわけですから、公平性の観点から全日空に配分が多くなるのは仕方がありません。JALの気持ちは分かりますが、今もしっかり稼いでいるわけですし、今後も努力を重ね、着実に基盤を築いていくしかないのではないでしょうか?
今日はこのぐらいにしておきましょうか?
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2013年10月3日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。