中国のミサイルに日本の部品が使われまくっているわけだが --- うさみ のりや

アゴラ

我が国には一応お題目として「武器三原則」なるものがございまして、以下の次の三つの場合には武器輸出を認めないということにしています。

(1)共産圏諸国向けの場合 (2)国連決議により武器等の輸出が禁止されている国向けの場合 (3)国際紛争の当事国又はそのおそれのある国向けの場合

最近は少しずつ緩和が進んでいて、つい最近では次期主力戦闘機(F35)の開発に向けて日本の軍事技術の輸出を許可するかどうかで揉めた上で最終的には「厳格な管理」の下に許可したことがありました。ところで一方、そんな議論をする余地もなく日本の電子部品は武器に使われているということを中国みずからが最近明らかにしてくれました。

トルコが中国の「紅旗9型(HQ─9)」長距離地対空ミサイル(輸出型FD2000)の購入を決定したというニュースに世界中が注目する中、ネット上でその画像を見た海外のネットユーザーから「HQ─9には、日本製のAZ8112型リミットスイッチが採用されている」との指摘が上がっている。29日付で環球網が伝えた。このほか、中国の潜水艇にも日本製のナビゲーションレーダーが搭載されているとも指摘された。これに対し、環球網は、その国の国防産業は国全体の工業や情報化の能力に根差しており、中国はこの20年でこの分野において目覚ましい進歩を遂げているが、半導体を主とする大規模な集積回路産業、精密電子設備を主とする電子部品産業、新型材料を主とする材料応用・材料加工分野においては、日韓欧米などと巨大な距離が存在すると説明。 また、中国の炭素繊維、電子部品および半導体は長い間、日韓などからの輸入に依存している。禁輸措置がとられれば、想像を絶する事態に陥ることが想像される。われわれは国の産業と経済発展という角度からこの問題をみなければならず、国防安全と国家戦略という側面からこの問題を解決しなければならない。日韓への依存からの脱却が急務となっていると報じた。 http://news.livedoor.com/article/detail/8113879/

よりによって一番気をつけなければいけない相手に日本の電子部品(パナソニック製)が使われているわけですが、これも氷山の一角で半導体・材料のかなりは日本製と思われます。民政向けの汎用品に関しては武器輸出三原則の対象にはならないんですが、もはや民生品と軍用品の境ってかなり曖昧なんでこういうことが起きてしまうんでしょうね。

で思うわけですが、汎用品組み合わせれば武器ができる時代に管理すべきはモノではなくて、人な気がするんですよね。中国の軍事技術開発に日本人が加わった場合って日本の法律ではどう裁かれるんですかね。現状スパイ防止法も無いくらいだから、なんとなくゆるゆるな予感がします。せいぜい不正競争防止法で民法上の問題が提起されるくらい何じゃないかなと。

今後中国はステルス機、無人機の開発を進めていくわけで、日米共同でF35開発→日本の技術者を中国がスカウト→軍事技術流出、とならぬようこの辺「秘密安全法」で議論してもらいたいものです。

では徒然なるままに今回はこの辺で。


編集部より:このブログは「うさみのりやのブログ」2013年10月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログをご覧ください。