政府機関の閉鎖解除、債務上限引き上げ、デフォルト回避……一連の事態にオバマ米大統領、民主党と共和党の米上下院議員などそろって「行動する」意思をちらつかせてきました。しかし、こちらでご説明したように前週末は結局互いの主張で譲らず。まるで「やるやる詐欺」あるいは狼少年のごとくで、マーケットもすっかり翻弄されています。政府機関14日目はオバマ米大統領、バイデン米副大統領、民主・共和党指導部との会合が延期されたとのニュースを聞いて、耳を疑ったものですよ。ホワイトハウスが「一段の協議を進めるため」と説明していたので、米株相場は楽観ムードを維持して9月26日以来の15300 ドル台で引けましたけどね。
楽観は本物なのでしょうか。
米上院では、米上院のリード院内総務(民主党、ネバダ州)とマコネル院内総務〔共和党、ケンタッキー州〕がそれぞれ、あらためて協議後の夕方に前進を表すコメントをはっきり発してました。リード院内総務は「我々は大いに進展させた……今は忍耐強くあるべきだ。明日はきっと素晴らしい日になる」と発言。マコネル院内総務も「素晴らしい成果を得ており、良い日となった」と振り返っていたんです。
両者の協議が債務上限引き上げの期間に集中していたとされるように、米上院指導部側近筋によると米上院内での譲歩には1)債務上限を2014年2月7日まで引き上げ、2)政府機関の閉鎖を14年1月15日まで解除、3)13年12月13日までに米上下院から予算案の報告書を提出──が柱となる見通しです。共和党が要請し続けた医療保険改革法案の先送りは含まないものの、医療保険補助受け取り手の所得条件の精査を設ける案を組み入れる、強制歳出削減の始動も裁量的になるとの話も出ています。
CNBCの調査では、9月後半時点からオバマケアの予算削除をねらった政府機関の閉鎖に59%が反対。
米上院の共和党は15日の朝から会合し、マコネル上院院内総務が具体案を提示する予定。米上院が党派を超え一致団結して合意に達したとしても、オバマケアの予算削除を求める声が根強い共和党多数派の米下院で受け入れるかは依然、不透明です。
思い起こせば2011年、2011年の債務上限引き上げ交渉が行き詰った当時、8月2日の
2011年は合意から3日後の5日、格付け会社S&Pが米国の格付けを最高の「AA
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2013年10月15日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。