ホッとしましたぁ~。米上下院はやるやる詐欺から一転、ようやく米上院の超党派が提示した債務上限引き上げ案と暫定予算を可決いたしました。
米上院がNY時間午後8時10分頃(日本時間17日午前9時10分頃)に終了した票決は、通過に必要な60票をゆうにクリアする81対18。民主党53議席、共和党45議席のうち反対した議員はもちろん共和党議員のみで、以下の通りです。2016年の大統領選挙への出馬が取り沙汰されている面子が並びます。
1. ジョン・コーニン(テキサス州、院内幹事で共和党のナンバー2)
2. テッド・ クルーズ(テキサス州)
3. ランド・ポール(ケンタッキー州)
4. マルコ・ルビオ(フロリダ州)
5. デビッド・ヴィッター(ルイジアナ州)
6. パット・ロバーツ(カンザス州)
7. リチャード・シェルビー(アラバマ州)
8. ロン・ジョンソン(ウィスコンシン州)
9. マイク・リー〔ユタ州〕
10. パット・トゥーミー(ペンシルベニア州)
11. ジム・リッシュ(アイダホ州)
12. マイク・クラポ(アイダホ州)
13. チャック・グラッスリー(アイオワ州)
14. ディーン・へラー(ネバダ州)
15. マイク・エンジ(ワイオミング州)
16. トム・コバーン(オクラホマ州)
17. ティム・スコット(サウスカロライナ州)
18. ジェフ・セッションズ(アラバマ州)
オバマ米大統領は、米上院の可決後まもなく声明で「ここまで導いてきた両党の指導部に、心から感謝する」と称え、当然ながら法案が大統領の机に提出されれば「直ちに署名し、政府機関を再開させ、アメリカ市民とビジネスにはびこる不透明と不安を取り払い始めるだろう」と確約しました。ルー米財務長官も、声明で「党派を超えて危機を解決し、政府機関の閉鎖を解除し、経済に立ち込める不透明性を排除した努力を歓迎する」と安堵しています。
米下院もNY時間午後10時15分頃(日本時間の17日午後11時30分頃)、285対144で可決にこぎつけました。大統領は声明通り、早急に署名すること間違いなしです。
CNBCによると、米株先物は以下のような反応。通常取引でダウ平均が200ドル高を謳歌していたようにデフォルト回避を織り込んで大幅高を演じてましたから、一段高とはいきませんでした。
行政管理予算局(OMB)のバーウェル局長いわく、ひとまず政府機関は17日朝から再開する見通しです。一時帰休を余儀なくされた約45万5000人の米連邦職員を含め、アメリカ国民はやれやれと肩をなでおろしたことでしょう。
とはいえ米上院の可決後にティーパーティー派が声明で「ことわざそのままに問題を先送りさせた( kick the proverbial can down the road)」と批判したように、課題は山積みです。1)暫定予算(政府機関の再開)は14年1月15日まで、2)米債務上限引き上げは14年2月7日まで--ですから、年明け早々悪夢が蘇るリスクは否定できないんですもの。
ホリデー商戦をはさむ10-12月期の成長率、格付け会社S&Pが3%から2%へ引き下げたように米景気鈍化が想定されます。ひとまず来年に船出を迎えるイエレンFRB議長率いるFOMCに緩和継続の願掛けをするしかなさそうです……。
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2013年10月17日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。