グルジアの頭蓋骨で人類祖先の議論が再燃か

アゴラ編集部

中央アジアの旧ソ連だったグルジアで、先日、約180万年前の初期人類の頭蓋骨が発見されました。発掘していた国際研究チームが、10月18日付けの米国の科学雑誌『science』に発表した、とのことです。この発見で、世界中の人類学者が大騒ぎしています。


我々の祖先である人類はアフリカで誕生し、その後、アフリカから出て(出アフリカ)世界各地へ広がったと考えられています。彼らは、ホモ・エレクトゥスという「原人」であり、比較的大きな脳を持っていた、とされてきたんだが、グルジアで発見された頭蓋骨の脳はホモ・エレクトゥスよりも小さかった。さらに、目の上の隆起が低く逆に犬歯が大きい、というより原始的なホモ・ハビリスの特徴を持っています。ようするに、これまでの人類学の「定説」をくつがえす発見、ということです。

今回の頭蓋骨が発見されたグルジアのドマニシ遺跡は、約175万年から180万年前とされています。アフリカから人類の祖先が出て、ホモ・エレクトゥスがアジアまで広がったのは、約110万年前とされている。アフリカには多様な人類の祖先がいて、原始的なホモ・ハビリスも絶滅せずに「出アフリカ」を成し遂げていた、ということなのかもしれません。これは、いわゆる「アフリカ単一起源説」において、多段階の「出アフリカ」なのか、ホモ・エレクトゥスによる「新しい出アフリカ」なのか、といった論争に再び火に油を注ぐことになります。

化石などに痕跡を残し、我々に様々なヒントを与えてくれる生物は多くありません。化石化するのには限定的な条件があります。人類の祖先のようにジャングルで樹上生活をしていた生物種は、そもそも化石になりにくい。これまで社会主義化の時代が続き、手つかずだった中央アジアや東欧などで、調査が進めば新たな発見がなされるでしょう。

ホモ・エレクトゥスによる新しい「アフリカ起源説」は、いわゆる「ミトコンドリアのイブ仮説」などの分子生物学によって補強されてきました。しかし、今回の頭蓋骨の発見は、定説になりかけていた人類祖先についての議論を再燃させるでしょう。我々の祖先は、アジアやヨーロッパなど他地域でそれぞれ進化していった、とする古い「出アフリカ」、つまり「多地域進化説」が復活するかもしれません。

PHYS.ORG
1.8M-year-old skull gives glimpse of our evolution, suggests early man was single species


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アゴラ編集部:石田 雅彦