求められる「バカッター」への自衛策

アゴラ編集部

いわゆる「バカッター」の炎上騒ぎが、まだ定期的にネット上に出ては消えています。8月9日にも、東京・多摩市の蕎麦店の学生バイトが厨房の大型食洗機の上に体を横たえた画像をTwitterへ投稿したことがわかり、店の衛生管理はどうなってる、などと炎上。2012年に創業者が他界し、それ以前から経営難だった店はこの騒ぎで営業停止になり、10月9日には東京地裁から破産手続きの開始決定を受けたそうです。


店の元店主らは「バカッター」騒ぎを起こしたバイト学生に対し、損害賠償を請求するようなんだが、学生が通う大学も重い腰を上げざるを得なかったようです。これが、その学生を停学処分にした、という多摩大学のリリース。多摩大学の初代学長は「初代代表コレクター」の異名を持つ経営学者の野田一夫氏です。田村学園グループが運営する大学で、この学校法人グループは1937(昭和12)年設立の目黒商業女学校を母体としています。目黒商業女学校の敷地は今では多摩大学目黒中高校になっている。多摩大学のマークは鷹の羽のぶっ違いで、これは創業者の田村家の家紋らしい。1989(平成元)年設立という平成生まれで歴史が浅い大学の割に、電通や野村総研、日航、日本IBMなどの企業出身の教授陣の多さや93.33%(2013年、経営情報学部)、92.9&(2013年、グローバルスタディーズ学部)という高い就職率で有名。しかし、大学もいい迷惑です。

いたずら心が動機なのか、その影響を考えず、ネット上へお騒がせ画像を投稿する連中が後を絶ちません。どこで「地雷」を踏むかわからない。バイトを雇っている店も学校も戦々恐々です。エントロピー増大の法則でいえば、どんなに教育を施し、口を酸っぱくして諭しても、こうした手合いは必ず出てくる。長引くデフレ不況でとりわけ中小のサービス業で、正社員を採用して社会人としての立ち居振る舞いからコツコツ育てていく、という従来の日本型社員教育が通用しなくなっています。

これまでなら社内の先輩などが、手取り足取り新卒社員を大切に育てつつ、自然にこうした「リスク」を回避してきました。しかし、もうそんなことはしていられません。その先輩自体が不安定な契約社員だったりする。マニュアル化が進み、従業員教育が形骸化する中、こうした「外れクジ」を引かないためにどうするか、社会全体を含めた自衛策が求められています。

蕎麦店で食洗機に横たわった画像を学生がTwitter上へ投稿したのは今年7月だったそうなんだが、それを「発掘」してワザワザさらす人もいます。裁判沙汰になることで、店側と学生側の争いになるんだが、双方で言い分が違う、という話もあります。学生らは、問題の画像を撮影した際、その行為を店主が半ば容認していた、と主張。店側は、そのときにはすでに退店していて現場にはいなかった、と言っているらしい。一人の「バカッター」の遊び半分の行動が、周囲に大きな影響を与える時代になっています。

ガジェット通信
「バカッター」で破産した蕎麦屋のアルバイト学生 多摩大学が停学処分を発表


「カラコン」のトラブル目立つ 県や眼科医が注意呼び掛け
看護師として気になったニュースや話題
ちょっと派手目なファッションをした若い女性の多くは、カラーコンタクトレンズ、通称「カラコン」を普通につけています。これをつけると、虹彩に色が着いたり、黒目が大きくなったりする。近視などで目が悪くない人も、目の中に異物を入れています。このブログで紹介している記事によれば「着色部分をレンズ内に封入している製品は安全性が高いが、レンズの表面にプリントしたものは色素が直接角膜に触れ、無数の傷ができたり、炎症を起こすケースがある」ということで危険。しかし、つけまつげやマスカラなどで目を強調し、さらにカラコンで装えばカワイサ最強、という女性心理にはトメドがありません。

「デートの断り方」まであるとは…!日本郵便公式サイトの「お手紙文例集」がすこぶる便利な件
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定型文、というのがあります。メールや手紙の書き出しや終わりの部分。「陽春の候、いかがお過ごしでしょうか」なんてやつ。時節の挨拶や相手への感謝やお見舞いを抵抗なく書けることで定着してきた文例です。予定調和の極みといえば身も蓋もないんだが、いきなり本題、というのもそっけないし、どうも文面の据わりが悪い。かといって、そんな導入や締めに頭を使ったり妙にヒネるのも疲れます。そんなとき便利なのが文例集です。このブログで紹介されているサイトはブックマークしておいていいですな。デートの誘いを承諾するのに「指折り数えてお待ちしています」という締めも、今では逆にウケるかも、いやキモがられるか。

「ブログを書く」という行為のハードルをそんなに上げて、どうしたいの?
世界はあなたのもの。
ブログ、書いてますか? 書かなくてもいいんですよ、別に。そんなにたいしたことじゃない。結局は自己満足なんだし。自分が満足できなくてどうするの? な~んてことわかってますよね。気楽に気軽に気安く気ままにいきましょう。

代行業者も。ネットの黒歴史削除法
web R25
ネット上に残した発言は、ほぼ永遠に残ってしまいます。ほぼ、というのは人類が存在する間は、というイメージ。巨大広大なストレージの海のどこかに、あなたの書き込みが埋もれてしまい、それを見つけようとすれば、誰でもいつでも簡単に読むことができる。この記事では「他者からの誹謗中傷ではない、自業自得の黒歴史をネット上から完全に消去するのはかなり難しい」と書いています。誰でもいつでも気軽に書き込むことのできるのがネットの便利さなんだが、後で消したくなるような発言はやめとけ、というわけ。しかし、リアル世界の消したい過去が消せないように、バーチャル世界でも同じ、というのは当然でしょう。


アゴラ編集部:石田 雅彦