生活保護費の巨額着服は氷山の一角か

アゴラ編集部

生活保護費については以前から話題になっています。10月19日には大阪府警が、生活保護受給者約2000人を「囲っていた」暴力団員組員らの逮捕を発表しました。大阪市内のマンションなどに生活保護受給者を住まわせ、彼らに保護費を申請させてそれを「吸い上げて」いたそうです。また、10月21日には、大阪府河内長野市の職員が約2年間に約2億6600万円の生活保護費を着服した業務上横領容疑で事情聴取され、市もこの職員を刑事告訴すると発表しました。


どちらも大阪なのは偶然でしょう。生活保護費を吸い上げる暴力団の存在は、どこでも周知の事実で公然の秘密です。特に大阪に限ったことではない。河内長野市のほうの着服金額はさらに増えそうなんだが、どうも市内部の管理体制にも問題があったようで、一人の需給者へ1度に5000万円を支給する処理をしても、そのままスルーで誰も見とがめなかった、とのことです。こちらも額が巨額なだけで、ちょろまかし程度ならほかの自治体をさらえばドンドン出てきそうな予感がします。

政府は、6月に廃案になった生活保護法の改正と生活困窮者の自立支援法の成立を臨時国会で目指すようです。この法案については反対意見も多い。デフレ不況が続いて賃金が上がらず、貧富の格差が広がりつつある中、低所得者や生活支援がなければ生きていけない人たちへのセーフティネット設置は避けて通れません。

しかし、システムの不備を突いて不正を重ねる人たちも後を絶たない。単に生活保護需給者を攻撃するだけでは問題の解決にはなりません。暴力団の存在や公務員の着服ばかり目立つんだが、不正防止よりも必要な支援のほうが先です。別に急ぐ問題でもない。どうやったら不正を防ぎ、本当に困っている人たちを支えることができるのか、従来の方法にとらわれず、時間をかけて考えていくべきだと思います。

スロウ忍ブログ
ローリスク・ハイリターンな地方公務員の犯罪。


Poppy, a 3D-printed humanoid robot that defies conventions
gizmag
ポピーというフランスの二足歩行ロボットについて書いている記事です。軽量化とコストダウンを目的に作られたらしい。ケーブル付きだし、動画を見ても自律はおろか自立もできなさそうだし、フランス人は日本人に似てヒューマノイド好きなんだが、まだこのレベルです。しかし、ポピー、というロボットと聞いて思い出したのが、日本の「フラワーロボティクス」。同じようなPOSYというロボット、というかマネキンを作ってます。最近とんと活動を聞かなくなったんだが、大丈夫なのか。

ゴッホ「ひまわり」がミクロの超精細再現で立体に。3Dプリンターでブロンズ像を出力
DDN JAPAN
絵画表現というのは妙なもので、ゴッホはやはりゴッホなんですな。同じように描こうと思っても、これがなかなか難しい。というより、ゴッホが描かないゴッホ的表現は意味ない、ということでしょう。やはり、なんでも先にやったモン勝ち、というわけ。それにしても、このブロンズ像、裏側はどうやって想像したのか。著作権もないし、売りに出せば高値で買いたい人がたくさんいそうです。

Paris「Brasserie Lipp」フォアグラとソール・ムニエール
マスヒロ食時記
この日本を代表する美食家は、1973年に初めてフランスへ行ったそうです。何度か会ったり街で見かけたことがある。そんなに健啖家という感じはしません。一時、肝臓を悪くしたこともあったそうなんだが、美味しいものを食べ続けるために、何か節制してるんでしょうか。それにしてもフォワグラとシタビラメのムニエル。美味そうです。

防波堤の寿命は?
Openブログ
防波堤は主にコンクリートでできています。コンクリートの寿命は長くても100年、と言われている。東日本大震災でコンクリート製の防波堤の建設が続けられているんだが、次に大きな津波は少なくとも100年は来ない、と言われています。転ばぬ先の杖、といっても、防波堤の建設費が3000億円ということで限度がある。このブログでは、まったく意味がないとは言わないが、徒労感がけっこうある、と書いています。地形によっても、防波堤を延々と海岸線に築き続けるのではない効果的な方法がある。防波堤があることで、高台へ避難しなくなることのほうが怖いのでは、というわけです。


アゴラ編集部:石田 雅彦