ローカボンとかスマートシティーなどの議論も多く、先日もそのような会議に出席したのだが、どうも計算方法がしっくりこない。Co2削減率が何%ですといった形で表現される。建築物の場合、どうしても設計意図や使用形態によりエネルギー量が異なるのでどうしても初期設計時点からCo2削減率で60%程度の方向になっていますなどの表現になる。
しかしこの表現だが、一般的にはしっくりこない。車を購入する際に設計よりCo2削減で60%を達成した車ですと販売出切るだろうか。「リッター何キロ」がお客様目線でわかりやすい表現である。
そのように考えると、建築物も熱量/平米どれ位いるのか。またその平米を建設するのにどれくらい投資が必要かがわかりやすい表現になると思われる。
熱量とは難しい言葉で、一次エネルギー消費量といい、その一次エネルギー消費量を建築物の室用途毎、設備毎に計算して基準にして計算させる方法が大事である。この法律改正が2013年4月から施行されていて、来年4月には従来の計算方法が廃止される。
しかし、Co2削減表現と熱量削減表現は使用者の自由なのでどちらでも選べるし、プレゼンではどちらでも使える。しかし聞く方は非常に大変である。変換係数を頭の中に入れながら会話をしていく必要がある。
住宅を例にすると話が簡単で、通常の郊外1戸建て120平米で東京あたりにお住まい4人暮らしの世帯で年間光熱費は30万円~50万円の間に入っていると思われます。一次エネルギー消費量としては大体90GJです。そうかそんな感じの数字なのだとピンときてこれが省エネ効果で、半減しますといえば、光熱費が年間15万円も得になると計算が出来る。
光熱費いくらと販売する住宅には記載しずらいが、○○GJと数字で記載出来ると思う。エネルギー量を示す色々な評価シールなどが現在導入されているが、わかりやすく○○GJと表記したらいいのである。話を戻すと、非住宅建築物も同じで○○GJ/平米とビルの入り口に記載したらいい。各種の省エネビル認定制度などもたくさんあるが、実際その制度を読み込んで再度頭の中で、計算して見直すなどは面倒な話なのでやめて欲しいと思っている。
そうなるとビルの実際運営費用も概算的に計算が出来るので、だんだんビルなどの建築物が運営費なども考慮して移動したり投資したりの対象になりやすい。中古車市場と同じ市場になると考えられる。実際、中古車を購入する際、燃費と年数、走行距離で大体の金額が一般の人間でもわかるので安心で取引が出来る。安心で取引できるものは市場が形成されている。単純な方法だが、建築物を数字で表す工夫をしっかりすれば、取引市場がしっかり形成されていくのではないかと思われる。
駅から徒歩何分、平米数に加えて、一次エネルギー消費量を加える単純な方法なのですが。こんな風になればいいのではないかと思う。建築物の売買にはエネルギー消費量を記載させる。法律一つで新しい市場が出来るのだと思いながら会議の話を聞いていた。規制緩和などともいう人もたくさんいるがうまく規制をすればいい市場が現れ、経済活性化にもつながると思われる。
かわにし のりひろ
会社員 コラムニスト
マルハビ日記