野村克也氏の選手への最初の質問は「何をしに生まれてきたか?」 --- 内藤 忍

アゴラ

メディアの取材が増えています。

本日は4時起きで朝から丸の内朝大学の講義ですが、終了後に、FM東京に移動。中西哲生さんがパーソナリティを務める「クロノス」の収録です(放送は28日から3回の予定)。来週も雑誌と新聞の取材が数件入っています。マーケットが活況になると資産運用に関する取材は増える傾向があるようです。


今週25日には以前取材を受けた「ビッグトゥモロウ」という雑誌が発売になりますが、巻頭の特集の監修を担当させていただきました。この雑誌は私が高校生の頃から続いている老舗雑誌なのですが、人生を変える!をテーマに毎回各界の著名人が登場しています。

一足早く送られてきた雑誌をパラパラとめくっていたのですが、元楽天イーグルスの監督の野村克也氏のインタビューに引き込まれました。

野村監督と言えば、オリックスで戦力外通告された山崎選手を獲得し、その後ホームラン王に再生させたことで知られます。その再生の秘密は、「根本を常に問いかける」ことにあるというのです。

野村氏が監督時代、ミーティングで選手に問いかける最初の質問は

「お前たち、何をしに生まれてきたんだ?」

野球選手といっても、野球の前にやるべきことがある。それをとことん考える。自分への問いかけを変えることで、人生が変わるということです。野球の技術や理論ももちろん大切ですが、その前にやるべきことがあるということ。これは野球選手に限らずすべてのことに当てはまります。

先日取材を受けた、マネー雑誌のテーマは「1億円どうやって作るか?」でした。投資で1億円を作る方法を専門家が伝授という企画です。しかし、私はまず1億円ありきではなく、「自分は人生で何をしたいか」をまず考え、その上で「それを実現するのにいくら必要か?」と自問するプロセスが必要だと考えます。

1億円作る必要がある人は、その方法を考えなければなりません。でも、そもそも必要ない人には無駄な努力になってしまうからです。

子供は親に「何で?」「どうして?」としつこく質問します。それと同じように、はじめから与えられたことを疑問を持たずに始めるのではなく、その目的はなにか?ナゼそれをやる必要があるのか?と自問する習慣をつける。

みんながやっている、テレビで言っていた、親から言われてやっている・・・深く考えることもなく、何となくやっていることは誰にでもあることです。しかし、そこで一歩踏み込んで、「本当にやる意味はあるのだろうか?」「もっと良い方法はないのだろうか?」と考えることで、人生が大きく変わる可能性があります。

「自分は何をするために今生きているのか?」

そんな人生のミッションを見つけるのは簡単ではありません。しかし、ミッションを見ながら行動している人は、北極星を見ながら夜間の旅を続ける人と同じでブレがありません。目先のことにとらわれない。だから長期で結果を出せるのです。

野球も資産運用も、すべては自分の生き方から派生しているものに過ぎないのです。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年11月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。