こうすれば家庭用ゲーム機は復活できる --- 近藤 弘之

アゴラ

Wiiやプレステは絶滅寸前と噂されている。

家庭用の据置型ゲーム機が売れなくなったのは、皆がスマホでゲームをするようになったからだというが、私はそうは思わない。据置型ゲーム機は悪循環の真っ只中にあるが、そうなってしまった原因は「ゲーム機の性能を高くし過ぎたせいだ」と私は分析する。


ゲーム機の性能が上がれば画面が高精細でリアルになるが、「パズドラ」や「マインクラフト」を見てもわかるように、そのこととゲームの面白さは本来あまり関係がない。

リアルさが面白さに直結するゲームはあるが、その多くはマニア向けである。

その小さなマーケットも、グラボの性能が著しく向上した今では「PC」という選択肢がある。無駄な性能はマーケットの小さな領域に自らを追いやり、肥大化した工数がソフト開発のリスクを増大させている。自分で自分の首を絞めるとはこのことだ。

年末に出るといわれるPS4は、そんなリアル路線の延長で計画され、発売前から失敗が確定している残念な商品である。ニンテンドーに目を向ければ、なんのユーザーメリットも提供しない3Dをまだ売っている。

据置型ゲーム機を売りたかったら、子供たちの行動をよく観察することが必要だ。

我が家では今頃になってPS3を買うハメになったが、そのきっかけはYouTubeに投稿されているゲームのプレイ画面(実況)だ。YouTubeにはさまざまなゲームの動画が投稿されていて、子供たちはそれを熱心に見ている。我が家のPS3購入は投稿動画のソフト(たった1本)の購買意欲に親が屈したのである。

そこに新たなマーケティングのヒントがあるはずだ。

また、ゲーム機のスペックを落として、価格を子供のお年玉で買える金額に抑えることも重要だ。

機器が売れないのをスマホのせいにするのはちょっと違う。スマホは所詮スマホ、こちらはピークを過ぎて衰退期に入っている。中国市場をアテにせずとも、据置型ゲーム機の復権のチャンスは十分ある。ゲームを楽しむ人の目線で新たなゲーム機を作ってもらいたい。

日本のゲーム機はガラパゴスと言われるが、これはゲームの内容に問題があるのではなく、キャラデザインが外人からみて子供っぽいのが原因かもしれない。見た目の年齢が低すぎて「萌え」のツボを外しているのではないか。外国に売るなら、キャラデザインをもっと大人っぽく、セクシーにする必要があるかもしれない。

近藤 弘之
フリーライター
ブログ