アメリカに建てられた「慰安婦像」の撤去を求めるネット署名が、ホワイトハウスの誓願サイトで始められた様です。
「米の慰安婦像撤去を ホワイトハウスの請願サイトで 米男性が開始」
※ 記事中のURLが全角だったのですが半角に修正されました。どうせならリンクしておけば良いのに……。
■どちらにも賛成したくない気もする
個人的に「カルフォルニアの田舎町に『慰安婦像』を建てて何がしたいのか?」って思っているので、撤去を求めること自体は、私も賛同したい。
しかし、トニー・マラーノさん(通称テキサス親父)のやり方もどうかと思う。
(韓国と同じレベルになったら意味ないでしょ……)
そのため、署名するか悩んでいたのですが、「ホワイトハウスのシステムはどうなっているか」が気になってやってみました。
■びっくりするぐらいシンプル
ホワイトハウスのシステムは、びっくりするぐらいにシンプルでした。
アカウントはすぐに作れます。
必要事項
- メールアドレス
- ファーストネーム
- ラストネーム
- 郵便番号
- 簡単な質問の答え
を入力してクリックすれば、確認メールが届きます。
そのメールにあるリンクをクリックすれば完了です。
その時点でログインした状態になっています。
(ログオフしたら、メールに記載されているパスワードで再度ログインする)
あとは、対象の誓願に対し『SIGN THIS PETITON』というボタンをクリックするだけです。
何にびっくりしたかというと、
- 確認画面が一切ない
- Yes Noのダイアログも出ない
- パスワードはプレーンテキスト
- パスワードを変えろとも言われない
もし、日本の首相官邸が作ったらこうはいかないでしょう……。
日本では、「誓願サイト」のような物を創ってネットを利用しようという考えも出てこないでしょうし、仮に作ったとしても、訳の分からないユーザインターフェースになることは間違いない。
■責任逃れのための仕事
誓願サイトのアカウントは決済も決定権も関係ありません。単に数万、数十万分の1の意思表示をするだけのものですから、ホワイトハウスのサイトで過不足ない項目、過不足ないユーザインターフェースと言えます。署名したくない人は、最初から読まないので、「署名しますか?」と改めて訊ねる必要もないでしょう。
仮にアカウントを乗っ取られたとしても被害は無視できる範囲ですし、乗っ取る労力より効果の方が低いため、過剰な防衛は不要です。
「実に合理的に考えられているな」と感心しましたが、本来はこれで当たり前でしょう。
しかし、日本の首相官邸向けに作るとするなら、必ずと言って良いほど確認画面が挟まるでしょうし、初回ログイン時にパスワードを変える仕組みになると思います。
その理由は、ユーザの利便性ではなく担当者の責任逃れ。日本のあらゆる仕事は「もしものときに(自分に)責任が及ばないか?」が最も高い判断基準になっています。
そんな馬鹿な基準で仕事をするから、日本のホワイトカラーの生産性は著しく低いのです。
実際、同じぐらいシンプルな物を提案して、「セキュリティは大丈夫か?」と言われたときの説明は本当に面倒臭く、「じゃあ、確認画面を入れますね」と言うしかありませんでした。
しかし、今度からは「ホワイトハウスでこれですから大丈夫でしょう」と言えるようになります。責任逃れしたい人は、そういう権威に弱いですから(苦笑)本当にありがたいです。
もちろん、ガチガチのセキュリティが必要なサイトもありますが、システム開発を依頼するユーザも、それを請ける開発会社も、利便性とセキュリティのトレードオフを合理的に考えるための良い例になると思います。
というわけで、どれぐらいシンプルか試すためにも、署名を試してみてはいかがでしょうか?もちろん、サイトは英語ですが、本当に簡単ですので英語が苦手な人も、是非、チャレンジしてみてください。
株式会社ジーワンシステム
生島 勘富