仮想通貨ビットコインが世界中で認知度を急速に広げるなか、ジンガが決済手段として受け入れを承認した6日には約1ヵ月ぶりに1000ドルの節目を回復しました。国家や中央銀行に統括されず、税金を納める必要もない。加えて国際間でも決済が格段に容易とあって、中国が使用禁止を通達した後も人気は衰えるどころか再び過熱し始めています。
仮想通貨が投資対象として盛り上がっている証拠に……。
「ロン・ポール・コイン(RPC)」が、2013年12月29日に誕生していたんです!
「我ら神を信ずる(In God We Trust)」ならぬ、「In Ron We Trust」を刻む?
(出所 : cryptocointalk.com)
ロン・ポール氏といえば、約30年にわたって米下院議員を務め米大統領選に出馬した経験をもつ人物。徹底した不介入主義、小さな政府の立場を取り、1)米連邦準備制度理事会(FRB)の廃止、2)内国歳入庁(IRS)の撤廃、3)金本位制度の復活——を主張していました。2013年に引退した後、ワシントンで息子のランド・ポール米下院議員(ケンタッキー州、共和党)が父の果たせなかった米大統領への夢を引き継いでいます。一方で、ロン・ポール・コイン(RPC)のウェブサイトでは、自由経済を標榜するポール元議員の意志を仮想通貨でカタチにしました。
RPCのサイトをみると、その価値はドクター・ノーとの異名をもつポール元議員が長年提唱し続けた「金本位制度の復活」に掛けて、「金」に相当するといいます。注目は、その希少性。総量は210万枚と、ビットコインの2100万枚の10分の1なんです。
現状で70枚を超える仮想通貨のなかで、デビュー後わずか1週間半で着実に上昇中。こちらをみると、7日時点で44位でした。1枚当たり45ドルなんで、ビットコインより断然お得。政治的信念を共有する方なら、その価値がありそうです。
リベラル派でファッション好きなあなたに、こんな仮想通貨はいかが?
73番目の仮想通貨として、11日に産声をあげる予定の「コニエ・ウェスト(Coinye West)」は、ラッパー兼プロデューサーのカニエ・ウェストをモチーフにしたオサレ仮想通貨です。音楽界に革命をもたらしファッション界にも殴り込みをかけるカニエ、仮想通貨で新境地かと思いきや・・・ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙によると、カニエ側はこれを完全に拒否。匿名の7人の設立者側からの10万枚の顧問料という申し出を蹴って、名称の使用停止を求めています。創立者側は断念せず、ウェストを外し「コニエ」で流通を開始させる予定だとか。
ジーザスを用いたイーザスを名乗っても、コニエはアウト!
(出所 : tech2.in.com)
21世紀に生きる練金術師の夢を体現する仮想通貨、19世紀にゴールド・ラッシュに沸いたアメリカでフィーバーはまだまだ続きそうです。
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年1月8日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。