「年金の奴隷」から解放されることで、老後の不安をなくす --- 内藤 忍

アゴラ

老後の不安と言えば、お金と健康というのが2大テーマになるようです。健康については専門家ではありませんが、お金については30年近くお金に関わる仕事をしてきて、金融商品から不動産、ワイン投資まで網羅的にアドバイスできる自信があります。

年金生活を前提にすると、年金の支給額によって自分の老後の生活が縛られることになります。支給が減れば、生活は苦しくなり、インフレになっても、実質的に年金支給額が減るのと同じことが起こります。


国から支給されるお金に縛られながら、ずっと不安なまま大切な人生の最後の時間を過ごす。そんな、悲しい展開から脱却するためには、自らの力で、「年金の奴隷」から解放されるようにすることです。

年金以外に定期的な収入を得る手段を、複数持つことで、年金に縛られない老後人生の設計ができるようになるのです。

もう少し具体的に考えてみましょう。

リタイアした人の年金以外の収入の糧として考えられるのは

1.自分で新しい仕事をして収入を得る
2.お金に稼いでもらって収入を得る

のいずれかしかありませんが、後者の場合でもやり方を考えなければいけません。若い時のお金の働かせ方とリタイア後のお金の働かせ方は、少し違うからです。

リタイアした人は、値上がりを目的とした投資ではなく、継続的なインカム収入を目的とした投資をしなければならないのです。

株式は配当利回りの高い銘柄もありますが、株価の変動も大きく、一般的には値上がり益を狙う投資対象と言えます。

定期的なインカム収入を得るための投資としては、債券や不動産がありますが、現状の世界的な低金利環境の中、金利はあまり受け取ることができません。また、今後金利が上昇すれば、債券価格の下落の可能性もあります。

リタイアするまでに、複数の不動産を保有しておく。これが「年金の奴隷」から解放されるための方法だと思います。

例えば、1000万円の不動産で利回りが7%であれば、年間70万円のインカムが手に入ります。月に直せば、約6万円です。これを複数所有することができれば、12万円、18万円・・・と毎月の生活資金に充てることができます。

リタイア前にこのような資産を手に入れれば、ローンを付けて新しい不動産を購入し、既に所有している不動産の賃貸収入からローンを繰上返済していくことができます。お金の流れが、一旦変わると加速度がついて、次々に資産を構築できるようになっていくのです。

当然のことながら不動産投資にはリスクがあります。国内であれば、空室リスクや価格の下落リスク、海外ならさらに為替リスクも加わります。しかし、リタイアする前に不安かもしれませんがリスクを取っておくことで、リタイア後の不安から解放されることができるのです。

このようなリタイア後の資産戦略は、長期的な視点で時間をかけなければ実現できません。「年金の奴隷」になる不安を抱えながら、解決法を先延ばしにするより、一刻も早く行動すべきです。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年1月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。