どうしても「真央ちゃん」としか呼べない私 --- かわにし のりひろ

アゴラ

オリンピック楽しみと言えば、フィギアスケートであった。少し残念ではあった。心の底からが茫然自失するとひとはあんな表情になるのかと感じた。ショートプログラムを終えたあとの、真央ちゃんである。あまりの印象的な姿にその朝の電車は少し暗いと感じるくらいであった。日本全体の朝のニュースが雰囲気的に暗かった。魂が抜けるという表現がピッタリでして、「あー」と叫んだ人多かっだろう。


考えてみると真央ちゃんは23歳のお嬢さんでもあるのですが、浅田選手と書けない、真央ちゃんと書いてしまう。彼女の成長を日本国民が見守りながらオリンピックを楽しみにしていたのかもしれない。国民の娘と言ってもいいのである。そんな娘の成長を見るのを楽しみにしていたのかもしれない。

国民が過度な期待をしたのを森元首相がしっかり分析されているのも驚きだった。わざわざ団体戦に出すのかと済んでしまった後に言うなよともいいたいがマトを得たご指摘でもあった。韓国メディアなどは、徹底的な浅田つぶしの集中攻撃であったのも確かで、そのような外国で指導陣はどんな判断をして選手のメンタルを見ていたのかは非常に不思議である。どうも日本スケート連盟はここらへんの、指導や情報収集は非常に弱い感がある。選手をどれだけ競技に集中させるかが重要なのである。

外国メディアの記事を読むと、キムヨナ対ツブニツカヤが有力であったのも確かである。しかし制したのはソトニコワ選手であった。国内のメディアと外国のメディアの違いなのも少し面白いものであるが、事実、そのような情報に触れないようにキムヨナなどはギリギリに入ってきている。

しかも会場では、「ヨナでなければ誰が金メダルを取るのか? 金メダルはヨナだと確信する。賭けるか?」オッタビオ・チンクアンタ国際スケート連盟(ISU)会長が言っていたほどだ。この間抜けなイタリア人には、ざまみろと言ってやりたい。しかし会長が言うかね。こんな圧力というかプレッシャがオリンピックにはあるのである。会長本人にはたぶん悪気はないのだと思う。お祭りのリップサービスであろうが、選手はたまったものでないのも確かである。こんな重圧が会場にはあるのである。連盟はしっかりサポートすべきでもあるし、会長のこの発言には、抗議するべきである。

また、TV局などは、選手にインタビューしやすいようにジャニーズを総動員で、インタビューのしまくりも非常に見苦しかった。競技に集中してもらいたいけど、選手にしてみれば憧れのタレントからのインタビューと誘惑も非常に多い。また、東京オリンピックを控えていたので、今回はスポンサー企業のトップもたくさん現地入りして応援に来ているのでその対応も必要であったり、選手のベストを出してあげる空気を作っているのか、足を引っ張っているのかわからない状態でもある。

しかし日本スケート連盟に関しては少し疑問が残る。荒川選手以来、選手が誕生していないのも大きな問題である。金メダルをとったユズルくんもユズルくんである。羽生選手ではない。どうも20歳前後の大事な時期の育成方法に大きな問題もあるのも確かであるみたいである。ここらへんは真剣に連盟が反省しないといけないと思ってしまう私はひねくれものであろうか。

親が子供のためにお金を使って出場しているときは、いい成績を上げられるが、どうも企業がお金を出し始めると、選手が伸びないような気がしてならない。もっとやり方がある気もしている。

しかし、フリーの演技が終わった後の真央ちゃんの笑顔はとてもよかった一安心である。集大成のオリンピックお疲れ様だと言いたい。

かわにし のりひろ
会社員 コラムニスト 
マルハビ日記