生活が豊かになって寿命が伸び、病気や不慮の事故などで死ぬ確率が低くなれば、生物は少数の子どもを大切に育て、むしろ個体としての生命体を長く維持するようになるのは当然です。先進諸国で少子化が進んでいるのもむべなるかな、といったところなんだが、中国や東南アジアでも子どもが少なくなって日本よりも急激な高齢化が予想されています。そのため、中国では「一人っ子政策」が見直しされつつあるようです。
日本では建設業界で人手が足りないようです。少子高齢化時代で最も急速に人手が足りなくなるのは、高齢者の看護介護の仕事でしょう。介護ロボットはまだまだ技術が未熟で機械化が困難。海外に介護施設を移転するわけにもいかない。労働集約型で賃金も高く設定できないので、自然に若い人に人材を求めることになります。その若い人自体の人口が減っているし、低賃金の「3K」的な仕事に就きたがりません。その結果、看護や介護の現場では、慢性的に人手不足になってサービスの質も低下し、コストが低くならないため新規参入もはかどらない、ということになります。
そこで、海外から安い労働力を導入するという発想になるんだが、政府行政はこれについて産業界からも強く要請されているようです。労働力不足を解消し、比較的高いサービスを維持し、コストを抑え、国内の既存労働力を学歴やスキルに見合った職業に就け、さらに国内産業を盛り立てていかなければならない。少子高齢化が進む日本で、即効性のある対策は外国人労働者を受け入れることしかなさそうです。
しかし、国内世論の醸成も含め、実際に外国人労働者を本格的に受け入れるのには、多種多様な問題があります。研修・技能実習制度は形骸化し、研修内容とことなる契約や就労実態などの不正が横行しているようです。さらに、外国人労働者によるサービス維持を目的にする場合、高いスキルを持った人材を受け入れなければならないんだが、こちらも二重労働により市場化し、なかなかうまくいきません。
さらに、いわゆる「在日」の問題があり、根強い差別意識などから外国人労働者に対する排除につながり、こうした排外主義が高まる危険性の問題があります。国内の労働環境では、非正規労働者や女性労働の問題さえ容易に解決できないのに、このまま外国人労働者を受け入れればいったいどうなるか、火を見るより明らかでしょう。
日本の総人口は、2030年には1億1522万人に、2046年には9938万人になって1億人以下になり、2055年には8993万人、さらに2105年には5000万人以下の4459万人になると予想されています。当然、生産年齢人口も減り続け、2055年には4595万人になる。これは総人口の51.1%で、これほど急激に落ち込む国はOECDの中で日本だけです。
いまだに高度成長期のような拡大再生産を夢見ている脳天気な人はいないと思うんだが、これだけの少子高齢化と人口減、生産人口減が予想されれば、日本でこれまで通りの政策やビジョンでは立ちゆかなくなるのは当たり前です。少子化に歯止めをかける対策や外国人労働者の受け入れなど何らかの手当をするか、逆に考えて日本の総人口8000万人時代を見越した対応をとらなければなりません。
江戸時代の人口は各種見立てで違うんだが、幕末で3000万人前後だったそうです。移民や外国人を受け入れるか、さもなければこの資源小国で鎖国時代のほぼ倍の人口をどう養っていくか、真剣に考えるべき時期にきていることは間違いありません。
スロウ忍ブログ
日本が無理に人口を維持する必要性はあるのか。
東京オリンピックで、国産魚を提供できない可能性について
勝川俊雄公式サイト
五輪開催ホスト国が、選手や選手団、報道関係、現地レストランなどで供する「水産物」について、水産資源の持続的な管理を進めている食材を推奨する、という動きがあるようです。五輪と環境保全活動がリンクする流れは、バルセロナ五輪あたりから際立ってきました。北京五輪も「グリーンオリンピック」と銘打った活動をしていました。このブログでは「エコラベル」について書いているんだが、エコラベルも「海洋管理協議会(MSC)」という国際的なものや日本独自にのものがあるらしい。日本のものは、元農水事務次官の白須敏朗氏が天下っている大日本水産会の「マリン・エコラベル・ジャパン」が認定している。ただ、こうしたドメスティックなエコラベルでも五輪で大丈夫なのかどうかは疑問です。MSCのリリースによれば、持続可能な資源管理された海産物を「推進」するために、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック組織委員会が採択した、ということのようです。どうもブラジルの水産資源のPRのようにも読み取れるんだが、いずれにせよ日本の漁業における資源管理と我々消費者の意識は、国際的にみてもかなり遅れています。欧米ではすでに「MSC認証のエコラベル」がついていない水産物は飲食店で使用しないようなことになっているし、消費者もエコラベル付きを積極的に買ったりしているらしい。東京五輪では、日本の「水産業界」認定のエコラベルでは逆効果かもしれません。
早川のベストSF2013発表!!
ソフトアンテナブログ
「SF」というのは「サイエンスフィクション」の頭文字です。サイエンス、というくらいなので、何らかの科学的な味付けがなされている小説になる。しかし、今ではサイエンス風味のかけらもない「SF」もたくさんあります。こういうのを「SF」のジャンルに入れるのはちょっとおかしいんじゃないか、という。ファンタジー小説も入れちゃったりして、ファンタジーは科学とは違いますわな。で、この中ではやはりスティーブン・キングの『11/22/63』を読んでみたい。しかし、上下で4410円、お高いです。
新しいルンバ、吸引力が5倍だってよ
roomie
いつも思うんだが、日本の家電業界はもうこうした製品開発ができなくなってるんでしょうか。ロボット技術は日本の十八番だったんじゃないんですかね。同じような製品を後発で作っても仕方ない。もっと進化した、アッと驚かされるようなものを期待します。
Watch The Moment A Bird Crashed Through The Windshield Of An Airplane In Florida
BUSINESS INSIDER
鳥類が航空機にぶつかる「バードストライク」の動画を紹介している記事です。レシプロ機のフロントガラスが割れちゃってる。ガラスの破片でパイロットがケガをしたんだが、この後は安全に着陸させた、と書いています。沖合へ拡張中の羽田空港には、バードストライクを監視する国交省の役人が常駐しています。水鳥などが来ると空砲を撃ったりして追い払う。各航空会社にもバードストライクや気象リスクなど含めた運行管理の専門家ディスパッチャーがいます。バードストライクで記憶に新しいのは、2009年1月、USエアウェイズ航空機の双発エンジンの両方がバードストライクで停止し、ニューヨークのハドソン川に着水した事故でしょう。表題記事では飛行中の事故なんだが、空港は水辺に多いので離着陸時に気をつけなきゃなりません。
アゴラ編集部:石田 雅彦