池田信夫
アゴラ研究所所長
アゴラ研究所の池田信夫氏が、同所のエネルギー研究部門のGEPRに掲載した論文の要旨を転載します。全文はこちら。
要旨
改正された原子炉等規制法では、既存の原発に新基準を適用する「バックフィット」が導入されたが、これは法の遡及適用になる可能性があり、運用には慎重な配慮が必要である。ところが原子力規制委員会は「田中私案」と称するメモで、すべての原発に一律にバックフィットを強制したため、全国の原発が長期にわたって停止されている。法的には安全基準への適合は運転再開の条件ではないので、これは違法な行政指導である。混乱を避けるためには田中私案を撤回し、新たに法令にもとづいて規制手順を決める必要がある。(了)