本日の労働指標、強い内容が飛び出しました。おかげさまでS&P500は終値ベースでの最高値更新、50回記念を迎えております。ダウ平均派2013年12月末に達成してましたが、ようやく追いつきました。
米労働指標がこぞって調子の良い内容で、上昇に弾みがついたかたちです。
米2月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比24.4%減の4万1835人でした。前月から減少に転じ、過去6ヵ月間で4回目のマイナスとなっています。豪雪と大寒波を乗り越えたほかホリデー商戦明けの人員削減もひと段落つき、前月比でも7.3%減でした。
米新規失業保険申請件数も3月1日週、市場予想の33.6万件より強い32.3万件でした。プレジデンツ・デーの連休を挟んだ前週の34.9万件(34.8万件から修正)から減少しています。30万件割れが迫った2013年11月29日週以来の低水準となりました。
というわけで、いくら米2月雇用統計が弱含んだとしても「ぜんぶ雪のせいだ」と北極気団を戦犯扱いすると思われます。Fedがテーパリングを継続させているとはいえ、資産買入を行い低金利の合わせ技も維持してますから、弱気になる理由が見当たらないんでしょう。
取引所に立つとレーダーは、オーダー表を見てウハウハ?
(出所 : CBS)
たとえ賃金が伸び悩んでも、アメリカ人には資産効果の恩恵が継続しそうですし。
本日、米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した家計資産動向を表す統計がそんな安心感を与えてくれています。
10~12月期資家計資産報告(旧・資金循環報告)によると、家計・非営利団体の純資産は前期比3.5%増の70兆6640億ドルでした。6期連続で増加した結果、4期連続で金融危機以前のピークである2007年7~9月期を抜き過去最高に到達しています。2013年全体では前年比9.8兆ドル増となっており、特に株高を支えに株式資産が5.6兆ドルと半分以上を占めました。そのうち2.3兆ドルが不動産で、ゼロ金利が資産効果を生み出したことが明白となってます。
国内債務は、10~12月期末で前期比1.5%増の42兆ドルでした。家計債務は0.4%増の13.1兆ドルと15期連続で増加。住宅ローンが0.1%増だった半面、消費者信用は1.5%増と増加していた。そのほか非金融ビジネスは8.4%増の13.6兆ドル、政府は3.9%減の15.3兆ドルとなっています。
バークレイズの米エコノミストは、結果を受けて「過去数四半期の消費けん引役は資産効果の上昇だった」と分析。こうした効果は時間差を伴って示現するため「2014年もしばらく追い風要因となる」と予想していました。本日も、S&P500が過去12ヵ月間で50回目の最高値更新を達成するはずですよ。
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年3月7日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。