世界初「人工クモの糸」が山形のベンチャーから

アゴラ編集部

映画『スパイダーマン』でおなじみ、クモの糸、というのは実に不思議な物質です。同じ太さにすれば鋼鉄の5倍、防弾服などに使われるカーボンケプラー3倍の強度を持ち、軽く、石油原料ではないため生体親和性が高く、これで繊維を織れば空気や水蒸気は通すけれど水滴は通さないため、通気性を持ちつつ防水性の高い衣服ができます。


クモの糸がどうやってできるかというと、カイコの繭と同じように繊維状のタンパク質としてお尻から吐き出されます。獲物を捕らえるクモの巣や「しおり糸」と呼ばれる安全装置、バルーニングと呼ばれる幼体が空を飛ぶ際の糸など、その用途に応じて様々な種類の糸を出すんだが、カイコの繭の糸であるシルクより粘り強く、伸縮性が高く、より長く出せるらしい。

しかし「人工のクモの糸」を作るのは難しく、同じようなタンパク質を作ってもコストなどの点で量産化や実用化ができませんでした。表題の記事では、ドイツの「AMSilk」というベンチャー企業が大腸菌を使った遺伝子操作技術で「人工クモの糸」を作り出した、と書いています。その生体親和性の高さから整形手術などの使用が期待され、また素材のタンパク質は化粧品などの用途も考えられるらしい。

新たな技術革新、というわけなんだが、日本も負けていません。このNEDOのリリースによれば、慶応大学発の山形のベンチャー企業が人工クモの糸「QMONOS」を開発。愛知県のトヨタ系企業が共同で量産化に取り組んでいます。こちらの技術もドイツのものと同じく遺伝子操作技術を使い、ベクターで菌類などの微生物に遺伝子を組み込んで人工合成したクモの糸を作り出したそうです。ドイツのものとの違いは比較的低コストで量産化できる点。これは「世界初」の技術らしい。2015年には10トン/年規模の生産ベースに乗せたい、としています。

io9
Get excited ─ spider silk finally looks ready for commercialization


Meet The Stars Of Vine: These Kids Have Millions Of Followers And Make Eye-Popping Amounts Of Money
BUSINESS INSIDER
日本でも女子高生の間で人気が出ている「Vine」という動画投稿サイトがあるんだが、海の向こうではVineページで人気者になり、多数のフォロワーがいるせいで広告媒体として、ちょっとしたお金を稼ぐ若い女性が出現しているようです。この記事では、たとえばこの「LGlaurennという16歳の女の子を紹介。彼女には240万のフォロワーがついているらしい。また、ある俳優志望の男性は、Vineを使ってセルフプロモーションをし、有名になりつつあるそうです。すでに、数秒の動画がSNSで普通になっている。ここから新しいスターや表現が生まれるかもしれません。

米国で一番家賃が高い町は? NYでもSFでもLAでもありません。
GIZMODO 日本版
この記事を読むと、依然として「石油成金」のようなことが米国では起きているようです。その昔、米国テレビドラマシリーズに『じゃじゃ馬億万長者』というのがあったんだが、山で鉄砲を撃ったら偶然、石油層に当たってしまい、石油が噴き出す、といった描写が滑稽でした。この記事では、石油が出た田舎町に急に人が集まり始め、ゴールドラッシュならぬオイルラッシュで家賃が高騰している街がある、と書いている。そこでは65平米のワンルームアパートが24万5000円くらいするそうです。東京の世田谷あたりでも、65平米だと家賃は20万円弱くらいですか。確かに高いです。

Ants Build Raft to Escape Flood, Protect Queen
livescinece
洪水になるとアリが女王アリを守るためにイカダを作り、それを浮かべて逃れる、という研究調査を紹介している記事です。幼虫はイカダのベースに使われ、女王アリがイカダの中央の最も安全な場所に位置するらしい。人間を含め、アリやミツバチなど「社会性」を持つ生物はよくこうしたことをします。巣全体を守るため、コストを考えれば、浮きやすい幼虫を犠牲にすることもある、というわけ。どうやれば最小のコストで最大の利益を得られるのか、よくわかっているらしい。スズメバチに襲撃されたミツバチは、巣内部の温度を上げてオーブンのようにして撃退するんだが、もちろん巣の中の幼虫は犠牲になります。

Life Lessons from the Bible’s most popular women
FOX NEWS
キリスト教は基本的に「父権的」な宗教だというイメージがあるんだが、人間は「父なる神」の息子や娘であり、イエスキリストも「父なる神」の子のようです。これはインド・ヨーロッパ語族の共通概念らしい。砂漠という過酷な環境では強力な父権が必要で、なまぬるい母系じゃやってられなかったんでしょう。しかし、我々ヒトはおそらく「母系集団」が基本なので、宗教がいくら「父権」を強調しても生理的に具合が悪い。カトリック諸国には「マリア信仰」もあり、バランスを取っているんじゃないか、と思います。この記事では、聖書に登場する女性たちを紹介しているんだが、旧約聖書の「イブ」とか「聖母マリア」とか。ほかの3人、MARTHA、SARAH、REBEKAHの女性たちはよく知りません。ステレオタイプの信仰を具現化してる存在なんでしょうか。


アゴラ編集部:石田 雅彦