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ビットコインについては、貨幣的な側面ばかりが注目されていて、経済学系のひとが貨幣論として話していることが多いが、ビットコインの本質は、その仕組や技術を理解しないとたぶんつかめないだろう。
ビットコインの技術とアルゴリズムは革命的だとおもうのだが、これについて解説した本はいまのところ一つもない。ブログや、ウェブ上にも英語による専門的なものしか存在していない。
そこで、騒ぎに参加したいひとではなく、まじめにビットコインについて理解したいという人のために、もっともわかりやすいレベルでの入門書を書いた。
ビットコインは、インターネットのような安全ではなく、通信も途切れる可能性のある環境において、中央の機関なしに、全員が合意できる唯一の記録をメンテナンスする技術である*。
その記録は、ビットコインの送金履歴であり、ブロックチェーンと呼ばれる。
ブロックチェーンには、過去のすべてのビットコインの送金履歴が記録されており、これは改竄ができない。
こうしたことについて、コンピュータ初歩の知識でも、この発明が何の意味を持つのかをわかるように書いたつもりである。
P2Pで公共帳簿を維持することはいままでは不可能というか実用的な回答がなかったが、ビットコインはこれを可能にした。この技術の応用の幅は広いと思われる。
私がいろいろ読んだ限り、ビットコインについて技術面もふくめて正確に理解して、その本質論を語っているのは、野口悠紀雄氏のダイヤモンド・オンラインの連載のみである。
野口氏の連載はまだ終了していないが、おそらく今後はビットコインのアルゴリズムを応用した社会システムの変革などについても触れてくるとおもう。
私も同意で、貨幣としてのビットコインを交換所で相場で博打しているのはビットコインのもたらすインパクトのせいぜい1%程度の側面にしかすぎない。
ビットコインのコミュニティのなかではより未来の議論が行われていて、とてもワクワクしている。これに参加できているのは、とても嬉しい。願わくば、みなさんもこの技術を理解して、同じワクワク感をもって、コミュニティに加わっていただくことだ。
* The Byzantine Generals Problem LESLIE LAMPORT, ROBERT SHOSTAK, and MARSHALL PEASE https://www.andrew.cmu.edu/course/15-749/READINGS/required/resilience/lamport82.pdf