書籍「究極の海外不動産投資」(幻冬舎)の制作がいよいよ佳境に入ってきています。修正原稿を編集者に手渡し、それをまたゲラに反映してもらう。その上で、最終チェックをしたら、ほぼ完成です。
書籍によっては、この最終段階になっても、大量の修正が発生することがあります。編集者からすれば、マラソンで言えば、ゴール直前にスタジアムであと1周だと思ったら、あと2周と言われたような気分です。
こんな状況になった時、編集者の対応は2つに分かれます。1つは、「あまりもう修正はしないでください」というタイプ。大きな修正はリスクもありますし、できれば早く仕事を早く終わらせたいというサラリーマン根性の人。
そしてもう1つのタイプが「どんどん修正して良いものを作りましょう」という人。職人気質で手を抜かず、全力で仕事に立ち向かってくれる人です。
書籍には発売日がありますから、無限に修正を繰り返す訳にはいきません。でも、出来る限り良い内容にして、読者の役に立てるような本にしたいというのは、著者も編集者も共通のはずです。そうやって2人3脚で書籍を作ってきたはずなのですが、発売日ギリギリになってくると、足並みが乱れる編集者がいるのです。そんな時、とても残念な気分になります。
編集を単なる「仕事」としてやっているか、それとも自分の「作品」として考えているか。
仕上がりに大きな差が出るのは言うまでもありません。
仕事に対する姿勢というのはこんなギリギリの状況になるとわかるものです。これは編集の仕事に限りません。
例えば、明日の朝一のプレゼン資料を前日の夜11時にやっと完成したと思ったら、上司に修正を頼まれた。その時、どんな気持ちになるでしょうか?
良い仕事をしたいと本当に思っているのなら、さらにプレゼン資料のクオリティが上がることにテンションが上がるはずです(上司の指摘が的外れでないことが前提ですが……)。
毎回ギリギリまで職人のように仕事をしていると、やっつけで仕事をしている人には、5年、10年と時間が経つにつれ、大きな差がついてきます。
目先にある小さな仕事にも手を抜かないことが、将来の大きな仕事での大きな成果につながるのだと思います。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年3月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。