調査捕鯨敗訴は日本外交の深謀遠慮

アゴラ編集部

オランダのハーグ国際司法裁判所(ICJ)に対し、オーストラリアが日本の調査捕鯨の中止を求めて提訴していた裁判で、3月31日、同裁判所は日本がやっていることは調査捕鯨ではない、という判決を下しました。これは実質的な日本の敗訴。国際司法裁判所では控訴が認められていないため、日本は南氷洋などでの調査捕鯨を止めなくてはならなくなります。


この裁判所のレフェリー自体、反捕鯨国がゾロゾロ並んでいて、ありがちなデキレースでした。まったくフェアじゃないんだが、判決は判決です。国際司法裁判所の場合、原告が訴えても訴えられた側が受けなければ裁判は成立しません。日本はこうしたアンフェアな「土俵」を承知で上がったわけで、結果は最初からある程度見えていた。むしろ、日本政府としては、調査捕鯨を継続しなくてすむ理由を探していたようなところがあります。

表題のブログでは、調査捕鯨などといって議論を回避してきたことが問題、と書いています。その民族が何を食べるのか、という「自由」についてアイスランドのように面と向かって主張すればいいのに、それをせずに調査とごまかしていたことが招いた結果、というわけ。価値観の相違や立場の違いを認めず、一方的にその民族や集団の文化を否定することこそが問題だ、という議論にすれば、捕鯨自体がこれほどネガティブなイメージにならなかったのではないでしょうか。

いずれにせよ、今回の国際司法裁判所を舞台にした捕鯨に関する裁判で、日本は完全に敗北したわけです。ただ、裁定には従う、ということを国際的に示すことも大事。損して得取れ、ともいいます。たとえば近い将来、領土問題などをハーグの国際司法裁判所で争うことがあるかもしれない。もしそうなったら「土俵」作りに工夫をし、負けない法廷闘争をする必要があります。今回の対応は、同裁判所の判決を不服として他国の領土占拠などを続ける国が出ないよう釘を刺しておく、日本外交の深謀遠慮だったとも言えます。

オタの独り言
捕鯨禁止には、日本の”誤魔化し”てきた部分が現れたのだと思うのだ


Fomm’s Concept One Electric Car Floats Like a Boat in Emergencies
inhabitat
日本の川崎市に本社がある「FOMM」は、「コンセプトOne」という4人乗りの電気自動車を作っています。今のところ世界最小らしい。両側のツードアがスライド式。水に浮くらしい。水上ではJR東日本ウォータージェットと浮力タイヤで推進。ハンドルがバイクみたい。なかなかユニークです。FOMMの代表は、鶴巻日出夫氏。スズキから今はないトヨタ系の「アラコ」でEV「コムス」の開発に関わり、2013年に同社を設立したらしい。現在は東南アジア向けに売り出し中。2015年から大量生産を予定しているそうで、ひょっとすると近い将来、日本の街中でこのクルマを見かけるようになるかもしれません。

そうしてスマホは去ってゆくのね
roomie
技術の進歩であらゆる部品が小型化した結果、ウェアラブルの機器というのは、スマートウォッチに限らず、様々な可能性と市場があるようです。紙のように薄いのはもはや古い。空間や壁、自分の肉体などをモニターにすれば、それまでなにもないところがガジェットに変身するわけです。こうなってくると、やはりホログラフィーの技術がほしくなる。誰でも簡単に作ることのできる3D表現は、すでに身近なものになっているんだが、あとはそれをどうやって目に見える形にするか、というだけです。

「生協パソコン」は本当に高いのか!? 実際に調べてきた
トゥキャッチ
大学生はみなさん、自分のパソコンを持ってるんでしょうか。今の学生ならそうなんでしょうね。生協、というのも懐かしい。大学生協というのは、どうも民青の匂いがして抵抗あるんだが、アレってどうしてなんだろう。コープ自体が別に「赤化」してるわけではありません。もちろん、今では様変わりもしているし、大学によっても違うんだと思います。おそらく大学内に共産党の「細胞」が入り込む際、生協を利用したりしたんでしょう。特に新左翼系が強い大学の場合、学生会館などに民青がいると糾弾されたりするわけで、生協のような組織から少しずつ浸透する、という方法をとったんじゃないのかな。

Methane-producing microbes may be responsible for the largest mass extinction in Earth’s history
PHYS.ORG
地球生命の歴史では、何度か大絶滅、というのが起きています。ほとんど、ある生物相が隆盛を極めたときに、何かの「啓示」のごとく起きる。この記事では「largest mass」な絶滅、つまりペルム紀末の大絶滅が、メタンを作り出す微生物によって引き起こされたのでは、と書いています。ペルム紀末の大絶滅の原因はまだよくわかっていないんだが、メタンハイドレートなどが崩壊してメタンが大量に放出し、酸素不足になった、という説が有力です。


アゴラ編集部:石田 雅彦