津波はいつから「Tsunami」になったか

アゴラ編集部

4月2日、南米のチリでM8.2の地震が起き、その津波が太平洋を渡ってやってきているようです。日本とチリの間の距離は約1万7400Km。津波は大きな被害をおよぼします。東日本大震災での津波もそうだったんだが、1960(昭和35)年5月23日に起きたM9.5チリ津波は、日本では6mに達しました。このM9.5は、これまで記録に残っているすべての地震の中で最大のものです。

ugurhan/iStock

これまでのチリ地震による津波は、1868(明治元)年に北海道に2mの津波が、また1877(明治10)年には岩手県で3mの津波がチリからやってきた、というものがあります。今でこそ通信技術などが発達し、世界中で起きた地震や津波の情報が瞬時に伝わるんだが、こうした手段のない時代、なんの前触れもなく突然やってくる津波は当時の人々に大きな恐怖をあたえたことでしょう。

英語で津波は「Tsunami」と表記されます。英語に「Tsunami」が現れたのは、雑誌『NATIONAL GEOGRAPHIC』の1896年9月号に掲載されたのが最初、と言われています。これは、M8.2ともM8.5ともいわれている「明治三陸地震」による最大38.2mにまで達した津波です。学術的には、カリフォルニア大学スクリプス海洋研究所の教授だったウィリアム・バン・ドーン(William Von Dorn)が、津波を英語で「Tsunami」と表記しようと積極的に呼びかけた一人だったらしい。また、公的機関による「Tsunami」の使用は、1946年に起きたアリューシャン地震により1949(昭和24)年に米国海洋大気庁(NOAA)の機関として設置されたハワイのオワフ島の「Pacific Tsunami Warning Center(太平洋津波警報センター)」が初めてのようです。

今回のチリ津波なんだが、4月3日午前8時30分時点で日本各地に到達しているようです。北海道の太平洋沿岸部では、すでに1mを観測。また、岩手県久慈市の久慈港では40cmを観測し、上昇中らしい。くれぐれも要注意です。

IRORIO
【警戒】3日朝、日本に津波到達の可能性。各地の到達想定時刻


Honda 芝刈機の世界最速ギネス記録を達成
HONDA
英国HONDAのレース部門が、同社の乗用芝刈り機「ローントラクターHONDA HF2620」をベースに改造し、レーシングカーを作ったようです。日本にこんなもので芝を刈らなきゃならないのはゴルフ場くらいなので、主に国外向けの製品らしい。本来は、排気量614cc、V2のOHV(オーバーヘッドバルブ)エンジンで馬力は20ps。これを996ccのバイク用「VTR 1000F」V2、DOHC(ダブルオーバーヘッドカム)エンジンに積み替え、109psの馬力を出すまでに改造したそうです。0~100km/hが約4秒というモンスター芝刈り機。HONDAはこれでギネスブックに挑戦。時速187.60kmを記録し、「世界で最も速い芝刈り機」の栄光を手にした、というわけ。従来の記録は、141.35km/hです。この「HF2620」は、速いだけじゃない。ちゃんと芝も刈ることができる。こういう「遊び心」がHONDAの強みでもありますね。

Did Europeans Get Fat From Neandertals?
Science
遺伝的に我々とネアンデルタール人とは、いわば従兄弟同士、といった関係です。共通祖先がどこかで分岐し、その後、我々は地球上で繁栄し、彼らの子孫は約3万年前までに絶滅した、と言われている。その共通祖先は「脱アフリカ」の後に分かれたんだが、その後に我々の祖先とネアンデルタール人との間に異種交配があったことがわかっています。この記事によると、ヨーロッパ人とアジア人の遺伝子の1~4%がネアンデルタール人から受け継いだものらしい。その中には、寒冷地でより早く食べ物の脂質を分解してエネルギーに変えるような機能があり、それは北方ヨーロッパに寒さに強い人たちがいる理由になるかもしれません。一方で、これらの遺伝子は、糖尿病や肥満、高血圧、心疾患などの原因になっている可能性もある。アフリカ人にはこうした遺伝子はないようです。

Monsanto ordered to stop making false advertising claims about GMOs in South Africa
NATURAL NEWS
遺伝子組み換え作物といえば、米国のモンサントです。種子ビジネスでは、遺伝子組み換え作物でシェア90%と圧倒的。TPPなどでも「危険な企業」ということでヤリダマに上げられています。その一方で、DDTなどの農薬も作っていた。さらに、かつてPCB(ポリ塩化ビフェニル)やベトナム戦争時には枯れ葉剤を作っていたりする企業です。この記事では、モンサントが南アフリカにおける同社の虚偽広告を止めた、と書いている。基本的に行われているのは、特定の農薬にだけ強い遺伝子組み換え作物を作り、その種子と農薬をセットで売る、というビジネスです。

1851年に発明された写真技法を用いる話題のアート集団、dopeの個展がTAMBOURIN GALLERYで開催。
EYESCREAM.JP
江戸時代末期、嘉永年間、といえば日本近海に西洋諸国の艦船が来航し、にわかに騒々しくなってきたころです。1853年には浦賀にペリーがやって来る。その前々年、1851(嘉永3)年に英国の肉屋の息子、アーチャーという男が「湿板(しっぱん、Collodion process)」という、ダゲレオタイプに代わる写真技法を発明しました。これは、硝酸銀溶液という感光剤と「コロジオン」という定着剤をガラスの上に塗り、湿っている間に画像を投射して撮影する、というもの。露光時間が5~15秒と、それまでの1分ほどもかかる技法から格段に早くなり、また原版を作成することでネガでもポジでも複数のコピープリントを可能にしました。湿らせないとダメなので、その後、写真乳剤を塗って乾かした「乾板」が出てくると廃れていった技法です。現場で原版を湿らせ、光を遮断するテント状の中で作業しなければならない。そんな古風で面倒な写真技法で今の時代を撮影する、という集団がいるようで、これはそんな写真展の紹介です。

アゴラ編集部:石田 雅彦