5月病の新入社員の皆さんへ、時代おくれになりましょう

松本 孝行

ゴールデンウィークも終わり、新入社員の人たちの中には5月病になってしまった人もいるかもしれません。会社に行きたくない、このまま働き続けたら病気になるなどと心配している人もいるでしょう。ここは一つ私からの提案ですが、時代おくれな人を目指してはいかがでしょうか。


時代おくれという河島英五さんの名曲に存在します。そのサビの歌詞はこのようになっています。

目立たぬようにはしゃがぬように 似合わぬことは無理をせず
人の心を見つめつづける 時代おくれの男になりたい

テレビでもネットでも目立つ人ほど注目されますし、新人もデキる新人として目立っている人もたくさんいるでしょう。同年代なのに自分とは違うと思って落ち込んでしまうこともあるでしょうが、そんな時こそ時代おくれな人になりましょう。無理に競争しなくていいのです。最低限の事だけをやればいいのです。

同じく時代おくれという曲には「マイクが来たなら微笑んで 十八番を一つ歌うだけ」と言う歌詞もあります。本当に出来るサラリーマンであればここで盛り上げるために盛り上がる歌を沢山歌うのでしょう。しかしそんなことをしなくても構いません。自分の好きな、得意な歌を一曲歌う最低限周りと合わせるだけでも十分なのです。

若い時に色々と無理をしたほうがストレッチされて能力が伸びるということが言われています。これはそのとおりだと私も思いますが、無理をして潰れてしまうくらいならば最低限の事だけをやればいい、そのように割りきって考えられるようになれば気持ちを楽にすることが出来ると思います。「マイクが来たなら微笑んで 十八番を一つ歌うだけ」という歌詞は無理をせずに自分の得意なことを最低限披露すればいいということで、仕事でも同じだと思います。

私も昔は自分自身「こうであらなければならない」という強い思いがありました。親や周りの大人達から与えられた価値観を信じていました。あの頃はかなり出世してグローバルマッチョになることが当然、というような価値観を持っていたように思います。しかし時代おくれのように最低限の事をしていれば、死ぬことはないということを悟りました。つまらないプライドは捨ててアルバイトをかなり年下の人と一緒にやったりすることもしました、まるで若手芸人のような日々でしたが、気になりませんでした。

仕事ができなかったり、周りの出来る同僚と自分を見比べてみると、自分が劣って見えるかもしれませんが、そういう時こそ河島英五の時代おくれを聞いてください。そして自分を落ち着けることができたら、また前に進み出してください。そうすれば少しは五月病もマシになるかもしれません。時代おくれに生きることも、悪くはありません。