天安門事件「戦車男」はどうなったか

アゴラ編集部

1989年6月4日、中国で天安門事件が起きました。今年はあれから25年たったわけです。香港などではキャンドルナイトで追悼式典が開かれたりしているんだが、中国国内では徹底的な情報統制が行われ、NHKの天安門事件を扱ったニュース番組が途切れ、また中国から海外への電子メールが届きにくくなっていたりしている。四半世紀たっても中国は相変わらずです。


北京の天安門広場では民主化を求める市民学生らが集まり、デモをかけ、集会を開いていました。あの日、それらの人々に対し、中国人民解放軍の部隊が無差別に発砲したり、装甲車が突っ込んでひき殺したりしたわけです。

その際の死傷者数は「南京大虐殺」同様、はっきりしていない。中国当局は死者319人と発表しているんだが、実際には1000人とも3000人とも言われています。事件後、数百人の活動家が中国から脱出し、中国当局は21名を指名手配。現在も亡命生活を余儀なくされる人も十数人いるようです。

この日、天安門へ中国人民解放軍の戦車部隊が増派されました。翌日1989年6月5日には、一種の「反革命ミッション」を終えたT59戦車の列が北京市内から帰隊します。

しかし、そこに立ちふさがる一人の男がいました。戦車隊の戦闘車両は彼を回避しようと向きを変え、その都度、彼は進路に移動して進行を妨害。さらに戦車上に乗って兵士と口論まで始めたわけです。

その様子は、CNNやBBCなど海外メディアの画像や動画になって残っている。やがて彼は戦車を降り、心配した北京市民によって群衆の中へ紛れ込まされました。一躍「民主化の無名ヒーロー」となった「戦車男(Tank Man)」。彼の正体はいまだにわかっていません。一説によれば、中国当局によって闇に葬られたとも言われているんだが、『TIME』誌の「The Unknown Rebel」によれば、江沢民はそれをあいまいに否定しています。

vintage everyday
Stories Behind The Tank Man of The Iconic Tiananmen’s Photographs in 1989


韓国を旅して「民俗村」が東京にも必要だと思った
ボン兄タイムス
当方もここを訪ねたことがあります。ソウルからバスに乗って1時間ほどの距離にある。ハングルのバス表示はわかりずらく、漢南のバスターミナルから乗るまでに手間取ったんだが、一般の韓国市民はとても親切ですな。「民俗村へ行きたいんですが(ミンソクチョゲカゴシプンデヨ)」とたどたど訊ねると、みなさん親切に教えてくれ、バスに乗ると営業マンらしき男性が近づいてきて、最寄りのバス停になったら教えるから、という(たぶん)ようなことを言ってくれました。ここの駐車場に隣接するレストランで食べたビビンバはかなりマシッソヨだった。昔の両班(ヤンパン)の家とか地主階級の家などがあり、一般の農家の造りなどもよくわかる。まあ、同じようなものは日本にもあちこちにあるんですがね。

和解の裏側
アジアの放浪者
軍事クーデーターで戒厳令が続くタイで「変革のための和解センター(Reconciliation Center for Reforms = RCR)」という組織が稼働し、事態の沈静化へ少しずつ動いている、というブログです。タイ国軍の高級軍人は、戦前の日本と同様、高級官僚でもあり、王室を中心にした強固な既得権層を構築し、変革の障害になっているという指摘もあります。当然、今回の軍事クーデーターではこうした階層が強権を発動しているわけなんだが、戦前日本の青年将校らが疲弊する農村部へのシンパシーもあり2.26事件などを起こした如く、彼らの中にも問題意識を持って活動する一派がいます。ただ、自分たちの既得権を侵さない範囲という限定付きなので、このあたりを克服するか、真に政治的に拮抗できる勢力が台頭しない限り、タイが根本から変わることは難しいでしょう。タクシン派と反タクシン派は、これら既得権層に利用されているとも言えます。

省電力でウェブに繋がる未来の電光掲示板
ギズモード・ジャパン
空港や駅には以前、アナログの「反転フラップ式案内表示器」があったんだが、当方パタパタと音を立てるあれを眺めるのが好きでした。歌番組の『ザ・ベストテン』のランキングも同じような表示で楽しかった。デジタル化と液晶ディスプレイ(LCD)の普及で消えつつあったこの「反転フラップ式」が、省エネだということで再び注目されているようです。ただ、電気はあまり使用しない分、メンテナンスに手間がかかり、情報の変更の都度、フラップを変えなきゃならない、というわけで、この記事では「反転ピクセル式」の表示板を紹介しています。これもなかなか良さそうです。

Post ice-age extinctions of large mammals linked to humans, not climate change
PHYS.ORG
最後の氷河期が終わった後、マンモスや巨大ナマケモノ、ホラアナライオンなど巨大なほ乳類が絶滅しました。この絶滅理由について諸説紛々なんだが、デンマークの大学研究者らは2/3は人間のせい、という研究を発表したらしい。残り1/3は大規模な気候変動によるもの、というわけです。まさかホラアナライオンを狩ることはなく、人間がマンモスなどの数を減らしたせいで彼らを捕食する巨大肉食獣も自ずと絶滅への道をたどった、ということ。これは今も言えるように、気候変動よりも人間の活動のほうが環境への影響が大きいんでしょう。


アゴラ編集部:石田 雅彦