澤田さんが大島堅一氏ので計算間違いを指摘していますが、大島氏のでたらめな計算は今に始まったことではありません。原発の再稼動は固定費(サンクコスト)と無関係なので、圧倒的に安いのです。これは2014年10月17日の記事の再掲。
彼らの計算のもとになっている内閣府のコスト等検証委員会の計算式は、次のようになっているが、これは新たに原発を建設するコストである。
(資本費+政策経費+核燃料サイクル費用+運転維持費+燃料費+事故リスク対応費用)/発電電力量
このうち資本費(2.5円/kWh)は既存の原発ではサンクコストなので、再稼動とは無関係だ。政策経費(1.1 円)のほとんどは運転してもしなくてもかかる固定費(今もかかっている)、核燃料サイクル費用(1.4円)のほとんどもサンクコストで、再稼動で発生するコスト増は、kWh単価ではほぼゼロだ。
運転によって増えるのは、燃料費(1.4円)と運転維持費(3.1円)と事故リスク対応費用(0.5円)だ。大島氏らは、このうち事故リスク対応費用を5.8兆円から11.1兆円に倍増したらしいが、それによってkWh単価は0.5円増える。つまり今までの試算で4.5円だったkWh当りの変動費が4.9円になる。これは石炭火力(6.9円以上)やLNG火力(10円以上)よりはるかに安い。
つまり再稼動で増える変動費は原発が圧倒的に安いのだ。原発は資本費などの固定費が大きいが、それはすでに支出されたサンクコストなので忘れてよい。ところが大島氏は上の表で、コスト等検証委員会の計算した資本費などを含む原発を新設するコストを比較している。これは再稼動の是非とは無関係である。
こんなナンセンスな論文を載せる「専門誌」があるというのも驚きだ。河野太郎氏もたびたび同じ計算違いを繰り返しているので、再掲しておく。
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