コロナワクチン(特にmRNAワクチン)をめぐる議論は専門的になりすぎ、反ワクチン派の偽情報が乱れ飛んで、一般の人にわからなくなっているが、ちょっと問題を整理しておこう。予防接種の安全性には、次のような基準が考えられる。
- コロナワクチンは絶対安全なのか?
- リスクがゼロでない場合、予防接種としての安全性基準を満たしているのか?
- ワクチン接種で避けられた被害はワクチンの薬害より大きかったのか?
このうち河野大臣や医クラの主張していた1は問題外であり、厚労省も死亡例を認めている。では2はどうなのか。Geminiにきいてみた。
Q. 予防接種で許される死亡率は?
厚生労働省は、ワクチンの安全性評価において、副反応報告の頻度に基づいて以下のように分類しています。
- 極めて稀: 100万接種当たり1例未満
- 稀: 10万接種当たり1例以上~100万接種当たり1例未満
- 比較的稀: 1万接種当たり1例以上~10万接種当たり1例未満
- 頻度不明: 現時点では頻度を推定できない
死亡は最も重篤な副反応であり、上記の分類では「極めて稀」に該当します。
Q. 具体的な病気の安全基準はどうですか?
具体的には、以下の例が挙げられます。
- 麻疹・風疹・おたふくかぜワクチン:100万接種当たり約0.2~0.3例の死亡報告
- ヒブワクチン:100万接種当たり約0.13~0.23例の死亡報告
- 小児用肺炎球菌ワクチン:100万接種当たり約0.13~0.23例の死亡報告
Q. COVID-19ワクチンの被害はどうですか?
- 厚生労働省が発表しているデータによると、2023年11月14日現在、日本で報告されている副反応のうち、重篤な副反応は0.002%未満です。
- 厚生労働省は、ワクチン接種後に死亡した全ての症例を調査しており、2023年11月14日現在、ワクチン接種との因果関係が否定できないと判断された症例は15例です。
Q. COVID-19ワクチンは予防接種の安全基準を満たしていますか?
一部の人々は、COVID-19ワクチンの死亡率が、麻疹などの他のワクチン接種で許容される死亡率よりも高いと指摘しています。しかし、死亡率を比較する際には、以下の点に注意する必要があります。
- ワクチンの接種対象年齢: 麻疹などのワクチンは主に小児に接種されますが、COVID-19ワクチンは全年齢層が対象となります。高齢者や基礎疾患を持つ人は、重症化リスクが高いため、死亡率も高くなります。
- ウイルスの性質: COVID-19は、麻疹などの他のワクチンで予防できるウイルスよりも感染力や重症化率が高いウイルスです。そのため、同じ死亡率であっても、COVID-19の方がより多くの人命が失われる可能性があります。
- 医療体制: COVID-19の流行初期は、医療体制が逼迫し、重症患者への適切な治療が提供できないケースがありました。そのため、死亡率が高くなっていた可能性があります。
COVID-19ワクチンは、安全性と有効性に関する臨床試験をクリアし、世界中の多くの国で使用されています。ワクチン接種には、副反応や死亡などのリスクがありますが、COVID-19感染症による重症化や死亡を防ぐ効果の方がはるかに大きいと考えられています。
以上のようにGeminiによれば、コロナワクチンは予防接種の安全基準を満たしているとのことだが、この数字が正しいのかどうかも含めて議論が必要だろう。ご意見はアゴラサロンへどうぞ。