足を引きずる金正恩の姿から示唆されること

アゴラ編集部

ナチスドイツのアドルフ・ヒトラーが手を奮わせていたことからパーキンソン病が疑われたり、おそらくこの症状を緩和させるためにアンフェタミンやコカインなどの薬物を常用していたことはわりに有名です。また、ロシア革命を成就させたウラジミール・レーニンが極度の動脈硬化に苦しみ、うっかりヨシフ・スターリンに権力を奪われてしまったり、米国のフランクリン・ルーズベルト大統領が高血圧によるビンスワンガー病でヤルタ会談時には正常な判断さえおぼつかなくなっていた、など歴史上の指導者にまつわる病気の逸話は少なくありません。


7月8日、北朝鮮の金正恩第一書記が祖父である金日成の死去20周年の追悼大会に出席した際、彼の歩き方がおかしかった、と話題になっています。広大な会場の舞台ソデから現れ、中央へ向かったんだが、右足をやや引きずるように歩いていました。この韓国「中央日報」の記事によると、心臓病、糖尿などや飲みすぎによる痛風の症状のせいではないか、とか、脊椎に問題が生じているのではないか、とか、体重を増加させて祖父の金日成と同じような体型にしようとしている影響ではないか、など憶測を呼んでいます。

もちろん、単に足に軽いケガを負っただけ、という予測も成り立つんだが、中国の毛沢東が筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis、ALS)のために足を引きずって歩いていたのも有名な話です。このALSは、米国大リーグのルー・ゲーリックがかかったことで「ルー・ゲーリック病(Lou Gehrig’s disease)」とも呼ばれている難病です。ただ、金正恩はまだ30歳なので、パーキンソン病やALSの可能性は低い。もちろん、体型的には肥満タイプで不健康そのものです。

北朝鮮は7月9日早朝、短距離弾道ミサイルを日本海へ発射しました。日本は拉致問題解決などの進展を視野に北朝鮮に対する制裁の一部解除したんだが、それを反故にしかねない理解不能な「暴挙」ということで、日本政府は北朝鮮側へ抗議しています。中韓が接近する中、日本海とは逆の黄海側から発射したことからお定まりの示威行動でしょう。しかし、足を引きずる北朝鮮指導者の動画は、世界中で観ることができる。この姿から思考判断に影響する厄介な病気の可能性も捨てきれません。

The Sydney Morning Herald
North Korean leader Kim Jong-un takes centre stage with a limp


Studying What Lures Turtles to a Tarmac at Kennedy Airport
The New York Times
米国ニューヨークの国際空港「JFK」でカメが滑走路に進入し、フライト遅れの原因になっている、という記事です。どうしてカメが増えたのかといえば、アライグマが減ったから、と書いている。あのへんのアライグマが、2008年に流行したジステンバーで激減し、アライグマが補食していたカメの卵がそのまま孵化してカメが増えたらしい。バードストライクなど、自然動物が航空機に与える影響は無視できないものなんだが、このカメをどうするか、JFKでは頭を悩ませているようです。

北米に住むダイヤモンドキスイガメ(英名Diamondback Terrapin)は、米国メリーランド州のシンボル爬虫類でもある。甲羅の紋様がダイヤモンド型をしている。ヌマガメの一種。スッポンとは別種らしい。出典:Wikipedia

Reality checks: Why rich parents are making their kids work low-paid jobs
NY Daily News
先日の当コーナーで、大金持ちのスティングが子どもたちに資産を継がせない、という話を紹介したんだが、この記事では金持ちが子どもに低賃金労働をさせる、と書いています。ミシェル・オバマは、本屋で働いていたり刻苦勉励でやってきたとか紹介されています。そうした体験を金持ちになった後に生まれた自分の子どもに体験させなければならない、と考えているらしい。こういう思考ってのは、キリスト教からきてるのかもしれないんだが、金持ちになるなどの現世での成功が「ギフト」、つまり天からの贈り物であって偶然の産物だという意識が根底にあるんじゃないかと思う。それを送り主に「返す」という謙虚な気持ちがあればこそ、彼らは金持ちになり成功をおさめたとも言えます。

ALSOKは鳥獣被害から農地も守る!自宅や事務所の監視業務だけでなく、農業と農作物も守ってくれる企業になりつつあるようです。
クレジットカードの読みもの
農業には様々なリスクがあります。今の日本列島は、のろのろと近づいてくる台風8号に戦々恐々としているんだが、天災などによる農業被害も大きい。高齢者が片手間にやるような農業では、こうした災害には対処できないことも考えられます。この記事では、綜合警備保障、いわゆるALSOKが鳥獣被害から農地などを守る業務を行う、と書いている。とはいえ、警備員が派遣されるわけじゃなく、有害な鳥獣捕獲用のワナの監視装置の売り出しらしい。一式9万5000円とか。高いのか安いのかちょっとわかりかねます。

“Would You Like to Become Pregnant in the Next Year?”
SLATE
キリスト教国における「避妊」や「堕胎」は、とりわけカトリックなど厳格な宗派にとって抵抗感のあるもののようです。米国で進められている「オバマケア」では、バースコントロールの観点もあり、女性の避妊などを社会的に負担しようという動きになっているんだが、このあたりは米国の保守層やカトリックなどの宗派から批判されています。ただ、望まない妊娠がどういう結果を引き起こすかは、かなり自明。貧困層にとっては避妊しないことが、将来的な死活問題にもなりかねません。この記事では、米国の医療業界がこの問題に取り組んでいる、と紹介しています。


アゴラ編集部:石田 雅彦