アメリカで、CEOが続々と氷水を浴びるワケ --- 安田 佐和子

アゴラ

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全米で名だたる企業の最高経営責任者(CEO)が、次々にバケツいっぱいに入った氷水を頭から被っています。

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOに始まり、マイクロソフトのサティア・ナデラCEO、ツイッターのディック・コストロCEO、TモバイルUSAのジョン・レジェールCEO・・・他にもS&P500を構成する大手企業の名前が続々並び、ソーシャル・メディアをはじめ大旋風が巻き起こっているんです。(映像はこちらをご参照)

CEOだけではありません。政治家では2016年の共和党大統領候補と目されるニュージャージー州のクリス・クリスティ知事や、NJ州ニューアーク市長を務めた後で2013年に米上院議員に選出されたコーリー・ブッカー氏も、文字通り「冷や水」を浴びたのです。セレブリティではファルセット・ボイスがセクシーな歌手兼俳優のジャスティン・ティンバーレイク、コメディアンでオバマ米大統領とスロージャム・セッションしたジミー・ファロンとザ・ルーツ、NFL界ではニューイングランド・ペイトリオッツがユニフォームを着たまま水浸しになりました。

ペイトリオッツ、練習前に氷水でファイト一発!?
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(出所 : Patriots)

「オレたちひょうきん族」の懺悔室で罰を与えられたわけでもないのに、なぜ有名人がこぞってわざわざキンキンに冷えた氷水シャワーにさらされているのでしょうか?夏だから??

いいえ、実はこれキャンペーンの一環なんです。

伝説のヤンキース4番打者ルー・ゲーリック選手が診断され、ルー・ゲーリック病としても知られる筋萎縮性側索硬化症(ALS)。この病気の支援団体であるALS協会が寄付を募る新たな手法として、7月29日から「Ice Bucket Challenge(バケツ一杯の氷水チャレンジ)」を開始したんです。

この挑戦状を受け取ったら、24時間以内に100ドル(約1万円)を募金するか氷水を浴びるかを選択しなければなりません。どちらか選べばそれで終わりではなく、次に3人の挑戦者を指名する必要があります。だからこそ、あっという間に全米拡散されたというワケ。

キャンペーンが全米で大旋風を巻き起こすなか、寄付金は8月12日までの約2週間で400万ドル(4億800万円)に及びました。前年同期の112万ドル(1億1530万円)から約3.5倍増ですから、大成功ですね~。

企業やセレブにとっても、イメージアップにつながるためウィン・ウィンなこのキャンペーン。ちなみに、挑戦状を突きつけられたオバマ米大統領は、氷水を断り寄付する選択肢を採用しました。

(カバー写真 : NDTV )


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年8月14日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。