香港の行政長官選挙をめぐり対立さらに激化か

アゴラ編集部

中国内の一国二制度の実験地域である特別行政区、香港で、従来は圧倒的な支持者を集めていた「反中国」勢力に「親中国」勢力が拮抗しつつあり、力の均衡状態から緊張が生まれている、というのは当コーナーでも既報なんだが、表題の記事では、中国当局が香港で民主的な選挙を行わない方向へ向かっている、と書いています。


2017年に香港の行政長官の選挙があるんだが、中国当局は実質的に「反中国」の立候補者を閉め出すという挙に出るようです。立候補者には、各業界団体から選ばれた「選挙委員会」からの指名が必要で、もともと「親中国」の「選挙委員会」からは「反中国」派の立候補者が選ばれない。事実上、中国当局の息のかかった人間しか立候補できず、これではとても民主的な選挙とは言えません。

「反中国」の民主化運動勢力は、従来からこの制度へ反発をみせ、香港各地で抗議行動を起こそうとしているんだが、警察などが出動し、治安悪化の名目で抗議行動を規制し始めています。中国当局も当初は「民主的な選挙」を約束していたものの、最近では態度を変節させているらしい。現在の香港特別行政区の行政長官は、梁振英(Leung Chun-ying)氏です。

香港では「普通選挙」を求める抗議デモが8月31日にも行われ、約5000人が集まったようです。香港の一国二制度の混乱は、台湾の市民の政治的指向などにも影響を与えるのは必至。中国国内の反体制派の動向が活発化したり、またアジア情勢へも波及するかもしれず、何やら香港がキナ臭くなってきました。

the guardian
China rules out open elections in Hong Kong


‘My mission is vengeance’: Man says he killed four in response to US foreign policy
RT
今年4月27日、米国シアトルで一人の男性が殺されました。犯人は、ニュージャージー州でも4人を殺し、7月18日に逮捕されているイスラム系の29歳の男で、シリアやイラク、アフガニスタンでの米国の軍事行動に対する「復讐」だと主張しているらしい。ものは言い様で何でも「復讐」といえばすむと考えているんでしょうか。この男、ワシントン州とニュージャージー州のどちらで裁判を受けることになるか未定だそうです。

豚の精巣をマウスに移植、 得られた精子を用いて元気な子豚が誕生!
naturejapanjobs
家畜の「オス」はあまり重宝されません。子や卵を産んだり乳を出す「メス」のほうが圧倒的に数が多い。子どもを得るためにはオスの精子が必要なんだが、オスは気が荒かったり扱いが難しかったり、種類によっては成熟するまで時間がかかったりして難儀。日本の独立行政法人農業資源研究所の研究者らは、子ブタの精巣を拒絶反応が起きない免疫不全のヌードマウス(遺伝子改変マウス)に移植し、子ブタの精巣から成熟した精子を取り出すことに成功したらしい。その精子をブタ成熟卵へ授精させ、さらに代理母ブタに移植すると正常な子ブタが生まれたそうです。これまでウサギやマウスなど、異種間の小型動物では可能だった手法を、ブタという比較的大型の家畜に世界で初めて応用させた技術として注目されています。

ブタ精巣組織の超低温保存とヌードマウスへの移植(異種間移植)によるブタ精子発生、および顕微授精卵の移植による子ブタの生産。農業資源研究所のプレスリリースより。

The 29 Most Insane Photos From National Geographic’s Instagram
BuzzFeeD
Instagramにアップされたナショナルジオグラフィックのカメラマンの「非常識」な写真の数々を紹介しているフィードです。イースター島のダイビング写真では、海底にモアイ像が沈んでいたりします。ナショナルジオグラフィックのカメラマンじゃないと撮れない写真ばかり。この中では「掃除エビ」に歯を掃除してもらっている女性ダイバーの写真を紹介しましょう。

http://instagram.com/TimLamanより。

Fujifilm vs Ebola: Japan giants turn hands to medicine
PHYS.ORG
フジフイルム傘下になった富山化学工業が開発したインフルエンザ用治療薬が、アフリカで猛威をふるい、次第に拡大しつつあるエボラ出血熱にも効果があるのでは、というのは当コーナーでも既報の通りです。この記事では、フイルムメーカーの医薬品という「異業種」の開発力について書いているんだが、日本の医薬品市場は少子化にもかかわらず大きく伸びているらしい。ビールメーカーのキリンも、がん治療薬などを開発し、日本たばこ(JT)も抗HIV治療法などを販売しているそうです。


アゴラ編集部:石田 雅彦