すぐに成果を出したければ「ベストよりベター」を心がける --- 内藤 忍

アゴラ

成果を短期で出せる人と、成果をなかなか出せない人の違いは、「ベストよりベター」というマインドセットを持てるかどうかにかかっている。仕事でも資産運用でも、そんな気がしてきました。

例えば、資産運用のセミナーに何回も参加しているのに、一向に投資を始めない人がいます。始めない理由を聞いてみると「まだわからないことがあるので……」ということでした。しかし、その人の知識レベルは、セミナーで何回も学んでおり、既に投資を始めるのに充分なレベルまで到達しています。不完全な知識であっても、ベターを目指して取り敢えずはじめてみれば良いのに、ベストを目指そうとして始めるのを躊躇してしまう。これでは、いつまで経っても知識が蓄えるだけで、結果が出ないのです。


1999年にマネックス証券の立ち上げをやった時も同じことを感じました。完璧に遅くやるより、不完全でも良いからスピード重視で進めていく。ベストを求めていたら何もアクションを進めることができません。ベターな方法で始めてみて、試行錯誤で探しながら、徐々にベストに近づいていく。そんなやり方が短期で成果を出せるようになるのです。

「ベストよりベター」というのは、完璧主義者にならないということでもあります。失敗を恐れる余り、勇気を出してリスクを取らないと、チャンスは逃げていきます。「チャンスは貯金できない」のです。もし、自己評価で50点しか実力が無いと思っていても、思い切って飛びこんでいき、そこで、毎日コツコツとベターを求めて、努力を続けることができれば、100点に近づいていきます。そして、その先には成果が待っています。

だからもし、何かやってみたいと思うことがあったら、最低限の知識を手に入れて、取り敢えず始めてみる。そして、もっと良い方法があったら、それに切り替える。その方が、完璧になるまで何も動かないより、短期で圧倒的な成果を出せるはずです。

松下幸之助は「失敗したところでやめてしまうから失敗になる。 成功するところまで続ければ、それは成功になる」と言ったそうです。成功とは、失敗を積み重ねた上にある。ベターなチャレンジを続ける。そして、失敗にめげずに、さらにベターを目指していくから、成功がやってくるのです。

頭で考えているより、まず行動。それが、自分の周りにいる成果を出している人に、共通している行動パターンです。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年9月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。