ビジネスで求められる英語とは、色々とあると思うが、一番大事なのはライティングのスキルだと思う。職場に外国人がいる場合、当然のようにある程度のスピーキング能力が求められるが、日常的によく使い大事なのは、「英語で書く」という能力だ。
そして、これが圧倒的に日本人には足りない。なぜかと言われて、よく言われるのが「英語で考えて、英語で書いていないから」ということだ。
しかし、そもそも英語で考えられないのだから、そんなことを言われても無理だ。「卵か先か、鶏が先か」という議論になってしまう。
よって、「なぜ、英語で考えることが出来ないか?」を考える必要がある。
それは、英語で考えるときの公式である「英文法」をきちんと学んでいないことと、正しい語彙を学んでいないことに尽きる。
イギリスの語学学校ではよく使われている上記のような文法書を一冊やれば、「英語を話すための文法」は身に付けることが出来る。以前、英国人の英語の先生に「英語では文法が一番簡単。だから、そんなことは自学自習で学ぶように」と言われたことがある。
実際、そのあとスペイン語を学んだときにそれは痛感した。スペイン語やフランス語などのラテン系の言語に比べれば、英語の文法は驚くほど簡単だ。
(英文法を英語で学ぶのは敷居が高いと思う人は、「動画英文法2700」などの動画アプリもある。ネットにはこのような良質な教材がたくさんある)
そして、英語の発音なんて、最後に学べばいい。
日本人にとって一番難しいのは、英語の発音だ。最初からそんなことに取り組んでいないで英文法をやり、英語の文章を書いて書きまくれば、自然と英語で考えることが出来るようになる。
上記のようなサイトを使ってもいいし、オンライン英会話スクール、あるいはitalkiなどの海外のサイトで語学学習仲間を見つけて、添削し合うのもありだと思う。
日本人が英文法を難しいと思い込んでいるのは、受験勉強、究極的には日本の教育システムの弊害だ。テストありきで英語を勉強させ、「英語で外国人とコミュニケーションを成立させる」なんてことはなおざりにしてきた。
受験勉強をするくらいの勢いと、それだけの時間をかければ、英語の習得なんて容易なはずだ。
問題はそれだけの時間をかけようともしないことと、そのためにどうすればいいか具体的に考えないで惰性で英語の勉強を始めて、結局はやめてしまうことだ。
(受験勉強をする際は、志望校の過去問題を徹底に検証して、何度も解くはずだ。英語も同様に「どのようにアプローチすれば、最終的には外国人と英語でコミュニケーション取れるようになるか」じっくり考えてから勉強する必要がある)
語学の習得はOSのインストールに似ている。
インストール作業には非常に時間はかかるが、一度インストールしてしまえば、アップグレードすることはかなり容易だ。
ヨーロッパでは複数言語を話す人たちが非常に多いが、彼らは別に天才でもなんでもなく、OSのインストールを幼少時に済ましているので、定期的にアップグレードして、他の言語の習得に励んでいるに過ぎない。またそもそもお互い似たようなOSを持っているので、新しいOSをインストールすることに抵抗は少ない。
現代社会では、仕事でメールやスカイプチャット、プライベートではLINE、フェースブックなどで常に書くことを求められる。だからこそ、まずはそこをクリアしないことには、ビジネス、プライベートで海外の人たちとやりとりすることは出来ない。
(自分自身はメキシコ在住だが、現地の人とのプライベートのやりとりはほぼ100%、WhatsAppというアプリでやりとりをしている。また仕事ではスカイプチャットが主な連絡手段だ。すべて履歴に残るし、スカイプで話すよりもよほど効率良く仕事が可能だ)
日本人は英語が苦手というのは幻想だ。
教育システムそのものがきちんと機能していないだけで、やり方さえ間違わなければ、あれほど複雑怪奇な受験勉強に膨大な時間を費やせるのだから、英語の習得なんて、日本人にとってみればたやすいはずだ。
株式会社ワンズワード
代表取締役 松岡 祐紀
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