ナスダック、ラッセル2000に続き調整入りが目前に --- 安田 佐和子

アゴラ

10月13日の米株相場、金曜日でもないのにコロンバス・デーの祝日ながら引け間際に阿鼻叫喚の一段安を演じました。特段目当たらし材料が飛び込んで来たわけでもなく、不気味な陰がヌッと姿を現した感を拭えません。さらに本日は、VIX指数が16.0%も急騰、26.64と2012年5月以来の水準まで跳ね上がって引けています。

ナスダックは、まさに地獄絵図のような展開。終値ベースで5月23日以来の4200p割れが近づき、9月18日に示現した約13年半ぶりの最高値4593.43pから8.3%も沈んでしまったのです。

戻り局面では、200日移動平均線が抵抗線に。


(出所:Stockcharts)

ラッセル2000から、後を追うこと12日。調整入り相場の足音が、ひたひたと聞こえて来たかのようです。

S&P500も、2012年11月12日以来初めて支持線だった200日移動平均線を割り込みました。


(出所:Stockcharts)

ダウ平均は安値のメドとなっていた8月7日のザラ場安値16333.78ドルこそ死守しましたが、終値ベースでも8月7日の16368.27ドルを下抜けてします。終値ベースで16300ドルを割り込むのは時間の問題であり、次のメドは4月15日の安値16262.56ドルが意識されます。


(出所:Stockcharts)

足元の相場下落はラッセル2000からナスダックに飛び火してきましたが、米国の大型株も安穏としていられません。以下は、CNBCが作成したラッセル1000で下落幅が40%を超える銘柄リスト。日本人投資家の皆さまにお馴染みの銘柄のみピックアップしております。こうしてみるとイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の警告が利いたのか、ソーシャルメディア関連が複数顔をのぞかせバイオテクノロジー関連もランクインしていました。

銘柄、上場市場、年初来高値、年初来高値を達成した日、年初来高値からの下落幅——の順となります。

ファイア・アイ(FEYE) ナスダック 97.35ドル 3月5日  -73.44%、

ニュースキン(NUS、クラスA)NYSE 140.50ドル 1月13日 -65.53%

ジンガ(ZNGA、クラスA) ナスダック 5.89ドル  3月11日  -61.29%

インターセプト・ファーマシューティカル(ICPT) ナスダック 497.00ドル 1月10日 -60.78%

3Dシステムズ(DDD ) NYSE  97.28ドル  1月3日 -58.74%

グルーポン(GRPN、クラスA) ナスダック 12.42ドル 1月6日 -52.74%

パンドラ・メディア(P) 40.44ドル NYSE  3月5日  -48.33%

アドバンスド・マイクロ・デバイシズ(AMD) NYSE 4.80ドル  7月15日  -42.09%

ケイト・スペード(KATE) 42.87ドル NYSE  8月12日 -41.40%

このほか6月の上場以来、IPO価格から4倍も急伸し飛ぶ鳥を落とす勢いだったゴープロも失速しつつあります。本日はF1界の皇帝の名を轟かすミハイル・シューマッハー氏がスキー転倒事故で負った脳挫傷と浮腫につき、ヘルメットに装着していたゴープロ社のカメラが原因だった——とフランス人ジャーナリストが報じたことが材料視されました。10月7日に達成した最高値から、たった約1週間で25%近くも急落したことになります。

米株相場は、少なくとも「」を取り除こうとしているかのようです。

(カバー写真:Wired)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年10月13日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。