子どもに自分の年収をパワポでプレゼンできるか --- 岩瀬 大輔

アゴラ

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ライフネットジャーナル」の企画で、ファイナンシャルプランナーの栗本大介さんと対談しました。

多くのお客様の家計相談にのられてきた栗本さんのお話はいつも勉強になるのですが、今回は「子どものマネー教育」について興味深かった話が3つ。


1. まず、スマホ世代は我々とは金銭感覚がズレているかも?という問題提起。
100円玉を握りしめて、何を買おうかなと駄菓子屋で悩んだ経験が、我々世代の金銭感覚を養ったかもしれない。リアルな貨幣を手にせず電子マネーなどが主流となっている若い世代は、お金の感覚が変わってくるのでは、という指摘です。確かに、クレジットカードが使えずにしばらく現金だけで生活をしていると、お金を使っているという感覚がまったく異なるので、そういう面もあるのだろう。

2. 次に、栗本家ではお子さんに小学生の頃からずっと小遣い帳をつけさせていたところ、三つ子の魂なのでしょうか、大学生になった今でもお嬢さんは自主的に小遣い帳をつけているそうです。簡単だが難しく、とても大切なこと。子どもの頃から継続することで習慣化できているのは見習いたい。

3. 最後に、世間ではまだまだお金の話を子どもとすることがタブー視されているという話。栗本さんが中学生を対象とした授業で「親が入っている生命保険を調べてみよう」と提案してみたところ、親からクレームが来たそうだ。生命保険という金融商品を通じて家庭やら生活やらお金やらについて考えはじめるいい機会になると思うのですが、一方で自分の子どもにそういう面は見せたくないという親子ごろなのでしょうか。

なお、栗本家のマネー教育はこのさらに先を行っている。栗本さんが自営業ゆえ所得の変動幅が大きく、ある年には前年比6割減となってしまったそう。このとき、まだ小学生だったお子さんたちを対象に「これがお父ちゃんの年収や!」とパワポを使って説明し、例年よりも旅行に行く回数が減ることについて納得と理解を得たそうだ。お金のプロとはいえ、ここまでできるお父さんはなかなかいないでしょう。

プロが実践されているお子さんのマネー教育、勉強になりました!


編集部より:このブログは岩瀬大輔氏の「生命保険 立ち上げ日誌」2014年10月15日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方は岩瀬氏の公式ブログをご覧ください。