リンクトイン・ユーザーが選ぶ、働きたい企業ベスト100 --- 安田 佐和子

アゴラ

就職・転職向けソーシャルメディア、リンクトインがユーザー投票で決定した「働きたい企業ベスト100」。予想通りとはいえ、ベスト10には常連の企業が並びます。相変わらずテクノロジー企業が圧倒的人気を誇っていました。

1位 グーグル 従業員数 5万人 時価総額 3693億ドル
2位 アップル 従業員数 8万3000人 時価総額 6172億ドル
3位 ユニリーバ 従業員数 6万人 時価総額 1129億ドル(ADRベース)
4位 マイクロソフト 従業員数 11万3000人 時価総額 3802億ドル
5位 フェイスブック 従業員数 7000人 時価総額 2098億ドル
6位 アマゾン 従業員数 5万人 時価総額 1329億ドル
7位 P&G 従業員数 6万6000人 時価総額 2305億ドル
8位 GE 従業員数 5万6000人 時価総額 2573億ドル
9位 ネスレ 従業員数 6万8000人 時価総額 2310億ドル(ADRベース)
10位 ペプシコ 従業員数 7万1000人 時価総額 1416億ドル


グーグルといえば、映画「ザ・インターンシップ(The Internship)」で描かれたように自由な社風と手厚い福利厚生で知られています。フェイスブックも、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)に直接質問できるくらいオープンな社風として評価が高い。アマゾンは昇進が困難として悪名が高いものの、ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)率いる企業戦略に熱視線が集まっているのでしょうか。

セクター別でみると、IT・通信・メディアがトップに立ちました。2位は小売・消費者向けプロダクト、3位に石油・エネルギーが続きます。確かにベスト100には石油メジャーのシェルが12位、メキシコ湾岸で原油流出事故を起こしたBPも15位です。消費者プロダクトではナイキが16位、バーバリーが36位、シャネルが42位、LVMHも45位に顔をのぞかせていました。

バーバリー、大人気イギリス人モデルのカーラ・デルビーニュをミューズに据えて。

(出所:Burberry)

ベスト10に話を戻しします。英蘭日用品メーカーのユニリーバが3位に食い込んで、米企業のP&Gやジョンソン・アンド・ジョンソンがそれ以下だったのはなぜなのか。ペプシコがベスト10に輝いたにも関わらず、売上で優勢な競合コカコーラが18位と後塵を拝する羽目になったのか。

ズバリ、広告でのイメージ戦略が命運を分けたと考えられます。ユニリーバといえば、ネットでも話題になった「美について考えるキャンペーン(Real Beauty Campaign)」で女性を啓発するだけでなく、世間をアッといわせてきました。P&Gはロンドン五輪でオリンピック選手になる子供を支える母親の広告で涙を誘ったものの、普遍性に欠けていた感は拭えません。

ペプシコといえばビヨンセをはじめ、広告塔にスーパースターを据えることで知られます。コカコーラはボトルに名前を掲載する画期的なアイデアで売上増加を目指し効果を発揮したとはいえ、視覚的なアピールには力不足だったのかも。

やはり、会社はイメージとブランド力が命なんですね。ちなみに調査を担当したリンクトインは圏外でしたが、公正を狙って対象外だった?

(カバー写真:Linkedin)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年10月27日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。