米10月消費者信頼感指数は94.5となり、市場予想の87.0より強い結果となった。前月の89.0(86から上方修正)を超えただけでなく、2007年10月以来の高水準を達成している。見通し指数が95.0と前月の86.4から急伸した結果2007年12月以来の高水準を遂げ、全体に寄与。現況指数が前月の93.0から93.7と小幅上昇にとどまる。
今回の調査期間中、ナスダックが9月高値から調整入りの分岐点10%を超える下げ幅を一時的に示したほか、エボラ出血熱病患者の死亡、看護師の二次感染が確認され、ニューヨーク市にもギニア帰りの医師が感染したことが分かった。半面、セントルイス連銀のブラード総裁が量的緩和(QE)継続の可能性に言及した上に米利上げ織り込み度が後退。株価反発を招き、センチメントを好転させたとみられる。全米ガソリン価格も2010年12月以来の3.0ドル割れが近づいたことも寄与した。
アメリカ初のエボラ患者が死亡したテキサス州ダラスでは、外食産業を直撃していましたが。
(出所:My Big Apple NY/CNBC)
発表元であるカンファレンス・ボードのリン・フランコ・経済指標ディレクターは、結果を受け「雇用やビジネス環境、収入で楽観的な見通しへ傾き指数の改善につながった」と説明。センチメントの好転は、「ホリデー商戦を控えた小売業者にとって朗報」とまとめた。
以下は、結果の詳細。今回は現状の労働市場に対し「職が豊富」から「職探しが困難」を引いたDIがマイナス12.6と、9月のマイナス13.1から縮小。2008年5月以来の水準まで縮小した8月のマイナス12.4近くへ戻している。見通し指数は、ビジネス環境をはじめ労働市場、所得そろって楽観度が高まった。以下は、結果の詳細。
現況指数をみると、ビジネス環境は「良い」と「悪い」がそろって上昇
「良い」24.5%→前月の24.2%から上昇、前年同月は19.5%
「悪い」21.7%→前月の21.2%から上昇、前年同月は23.0%
労働市場については、「豊富」が上昇し「困難」が低下
「職が豊富」16.5%→前月の16.3%から上昇、前年同月は11.6%
「職探しが困難」21.7%→前月の21.2%から上昇、前年同月は34.9%
6ヵ月先のビジネス環境への見方は、「良くなる」が上昇し「悪化する」が低下
「良くなる」19.6%→前月の19.0%から低下、前年同月は16.0%
「悪化する」9.3%→前月の11.4%から低下、前年同月は17.5%
6ヵ月先の労働市場への見方は、「増加」が上昇し「減少」が低下
「雇用が増加する」16.8%→前月の16.0%から上昇、前年同月は16.0%
「雇用が減少する」13.9%→前月の16.9%から低下、前年同月は22.6%
6ヵ月先の所得への見方は、「増加」が上昇し「減少」が低下
「増加する」17.7%→前月の16.9%から上昇、前年同月は15.7%
「減少する」11.6%→前月の13.4%から低下、前年同月は15.5%
購入見通しは、ヘッドラインの好調ぶりとは逆に低下が優勢。自動車は10.8%と前月の12.1%を下回り6ヵ月ぶり低水準だった。主要機器も49.1%と、前月の51.5を下回っている。住宅は5.1%と、前月と変わらずだった。エボラ出血熱病の感染患者が米国内で確認されつつ、休暇見通しはホリデーシーズン前とあって51.4%と前回の47.5%を超え足元で最も強い数字を示した。
——筆者の個人的観点から申し上げると、ニューヨーカーはエボラ上陸でも比較的、冷静です。当初こそ恐怖を口にする人々は少なくなかったものの、「のど元過ぎれば熱さ忘れる」なムード。そもそもインフルエンザが大流行した時にもマスクをして外出せず、身に危険が及べば会社の都合もお構いなしに休暇を取る傾向が高いだけに、日本人とは意識が全く異なると言えるでしょう。最近だと友達との挨拶は、もっぱら「ハロウィーンどうする?」ですしね。
(カバー写真:Newsagram)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年10月28日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。