金閣寺を見て再確認した「脱・横並び」の重要性 --- 内藤 忍

アゴラ

仕事をする上で、私がいつも心がけているのは、人と同じことをしないことです。丸の内朝大学などのセミナーでも「脱・横並び」と繰り返し強調していますが、人と同じことではなく、自分にしかできない価値は何かをいつも問いかけることが、自分のやりたい仕事を実現するために最も重要だと思っています。


先月、京都に行って観光した時、金閣寺を見て最初に出てきたのは、やはり「脱・横並び」という言葉でした。このお寺が、外国人観光客に圧倒的な人気を誇るのは、建物の壁面に金箔が張ってあるという他の建物にはない強烈な差別化がなされているからです。お寺マニアのような人は別として、一般の観光客からすれば、どのお寺もほとんど同じにしか見えません。そんな中、金閣寺だけが特別な存在に見え、印象に残るのです。

資本主義社会で生存競争に打ち勝つには、価格競争力を高めるか、製品差別を実現するかの2つしかありません。

価格競争とは人と同じことをしながら、値段を下げることで優位に立つ戦略。製品差別とは他の人が提供できない商品・サービスを提供することで生き残る戦略。どちらを取るべきかは、明らかです。

人と同じことをしている限り、常に価格競争圧力にさらされます。他の人でも代用できる仕事には、常に新しい低コストのライバルが現れるリスクもあります。だから、一日も早くそんな状態から抜け出す必要があります。

「脱・横並び」を実現する方法は、金閣寺のように圧倒的な差別化を実現しなくても可能です。小さな差別化を積み重ねることによって、「掛け算」で人にはないオンリーワンの価値を作り出せば良いのです。

新幹線の車内販売で驚異的な実績を上げた販売員の方が、話題になりました。一見、差別化など困難だと思えるような仕事でも、人とは違う方法を実践して実績を出せる人はいるのです。

コピーを取る、お茶を出す、掃除をする……。誰がやっても同じではありません。小さな違いかもしれませんが、評価している人が必ずどこかにいるのです。小さな差別化も、毎日積み重なれば、違いが徐々に形になって見えてきます。

「脱・横並び」は派手なパフォーマンスで、実現できるとは限りません。些細なことであっても、自分が人と違うことをするという意識を常に持ち続けることが大切です。

今日も人生の大切な一日。「脱・横並び」を意識して、小さなことでも良いから何かやってみましょう。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年12月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。