第47回衆議院議員総選挙が終わった。
当選した議員の顔ぶれを見てみると、新聞紙面が男性の顔で埋め尽くされている印象を受けるのは私だけではないだろう。
日本では女性議員の数が諸外国と比較して圧倒的に少ない点(改選前の時点で約8%)が常々指摘されているが、今回の選挙でもその傾向は変わらない。
筆者の暮らす千葉県を例にとってみても、小選挙区で当選した女性はゼロ。比例で1名の女性議員が誕生しただけという結果になっている。
今回の選挙の総括として、投票率が低かった点(52%前後 12/15日経新聞朝刊より)が指摘されているが、国民の2人に1人が投票を棄権したことになる。
この理由として「投票したい人がいない」「誰にいれても何も変わらない」という声を頻繁に耳にするが、その背景には女性候補者が圧倒的に少ないことも、少なからず影響しているのではないかと筆者は思う。
投票権を行使していない有権者の詳しい内訳は公表されないので不明だが、少なくとも、女性候補者が圧倒的に少ない選挙を続けている以上、争点はどうしても男性寄りになり、その結果、一部の国民しか関心を持たないという悪循環が生まれている気がするのだ。
ではなぜ女性候補者・女性議員が圧倒的に少ないのだろうか。
筆者は現職市議会議員として8年目を迎えているが、政治の世界に身を置いて実感している点のひとつに、男性社会特有の価値観が根強い点を強く感じている。
選挙に出るにあたっては、公示・告示後の選挙期間中はもちろんだが、それ以外の期間にも選挙に向けた様々な地域活動、後援会活動が必要になる。
日本では多くの男性が女性に対して家事や子育てを中心的に担う役割を期待している中、男性と同じようにこれらの政治活動を行うのは、今の日本の女性にとってどうしても難しくなる。
そこで私はあえて提案したい。
少子高齢化が叫ばれる昨今、ほとんどの政党が“子育て支援”を掲げ、保育所の整備など体制の充実を図っているが、女性候補者を増やすためには政党が自らの女性候補者育成のための制度を導入できないものか。
筆者も政党に所属していたことがあるが(現在は無所属)、政党公認で選挙に出るときには当然、女性候補者であっても男性候補者と同じレベルでの活動が求められる。
しかし現実には家事や子育て、介護など、男性に比較して自由になる時間がとれない実態を持つのが今の日本女性の現実だ。
昼夜を問わず活動をしなくてはならない“候補者”になるためには、これらの課題に対しての政党のフォローが絶対的に必要なのだ。
その上、夫や恋人の理解も不可欠だ。
多くの男性が「もっと女性議員が増えたほうが良い」と口には出すものの、実際に自分の妻や恋人が選挙に出ると言ったら、反対するか、反対まではせずとも全面的に快く協力してくれる男性はほんの少数だろう。
安倍政権は改選前に「2020年までに指導的立場にいる女性を30%に」と掲げた。
今回の総選挙を通じ、女性議員が圧倒的に少ない状況がまたしばらく続くのかと残念な思いを抱いたのは、きっと私だけではないだろう。
※参考:日本の女性国会議員比率、先進国で最低 衆院8% – 朝日新聞
並木 まき
市川市議会議員
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