円安の「逆プラザ合意相場」は続くのか --- 内藤 忍

アゴラ

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原油価格の下落からはじまったロシアルーブルの急落。影響はエネルギー関係だけではなく、為替市場、債券市場、株式市場と広範囲に広がっています。ドル円も1ドル=121円台から急激に円高が進み、一時は1ドル=115円台まで円が急伸しました。

(画像は日本経済新聞電子版から)


為替の予想は当たらないというのが私の持論ですが、マーケットの見方について唯一尊敬している伝説の相場師の方のお話を聞かせていただきました。伝説の相場師といっても、参議院議員で本を書いている元ディーラーの方ではありません。現役でリスクを取っているリアルな投資家です。

以前お会いした時は1ドル=107円くらいだったと思います。その時に「ドル円は一旦100円近くまで円高が進み、その後切り替えして、120円を超える」と話していました。そして自身でも「ドル買い、日本株買い、原油売り」を続けて、莫大な利益を出しているようです。そのポジションが、どのくらいはわかりませんが、ドル円で数百本(1本=100万ドル)レベルと想像されます。

印象的だったのは、安倍政権発足後の為替マーケットの動きは、プラザ合意から始まった円高相場に匹敵する「大相場」だという見立てです。プラザ合意とは、1985年9月にニューヨークのプラザホテルで合意されたドル安円高誘導です。発表から24時間で、ドル円レートは1ドル=235円から約20円下落。さらに1年後には1ドル=150円台で取引されるようになり、その後も円高が急ピッチで進みました。

この流れと正反対の今回の動きは「逆プラザ合意相場」だというのです。まずは124.10。そして135、147と気になる数字が示されました。新聞に良く出ている「エコノミスト」や「ストラテジスト」のマーケットの予想とは、まったく別世界の、真剣勝負のリアルなマーケットの見方です。ただしあくまで現時点の見方です。これから、どんな相場が続くのか。遠い将来のことは、誰にもわかりません。

ただ1つ、わかっていることは「リスクを取らない人にはリターンはやってこない」ということ。100%成功する方法な、資産運用の世界では、どこにも存在しないのです。

今朝、為替証拠金取引(FX)を使って116円台で為替のポジションを積み増しました。FXなら為替手数料はわずか0.4銭。1ドル=80円台から積み上げてきたポジションがまた少し増えることになりますが、FXだけではなく、資産全体の外貨の比率を確認しながらリスクをコントロールしています。

(本ブログは為替取引の予想や取引の推奨をするものではありません。投資の判断はご自身の自己責任でお願いいたします)

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年12月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。