結局、高いのか? 安いのか? 都議会議員の給料 --- おときた 駿

アゴラ

過日に書いた都議会議員のボーナスUPについての記事は大きな反響をいただきまして、閲覧して下さった皆さまに感謝いたします。

ドサクサにまぎれて都議会議員のボーナスが上がったので、支給額が250万を突破しました
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改めて、政治家たちの報酬・懐事情に対する世間の関心の高さが伺えます。この金額の多寡についても、賛否両論さまざまな意見が出されました。

結局、都議会議員の給料は高すぎるのでしょうか??


以前に「色々と研究して、自分なりの適正額を考えて提示する」と表明したのですが、延び延びになっています。申し訳ございません。何故なら私自身、この問題にまったく結論が出ていないからです。

過去記事でもなんどか触れていますが、「議員報酬」は会社員の給料より自営業者の売り上げに近い性格のものです。ここから人件費や事務所費などを支払って、手元に残ったのが粗利になります。

ボーナスの金額だって非常に高いように思えますが、ここから自分の私設秘書にもボーナスを払いますし、年末年始に配るチラシ代や、多数の新年会の会費などを出費します。

トータルで手元に残る金額を考えると、会社員時代と同じか、やや多いくらいでしょうか。(私は同世代の平均に比べると、当時はもらっていた方だと思うので、それと比べて。)さらにここから、議員になって激増した各種会合の参加費・交通費などを払うことになります。

今の立場は次の保障がまったくありませんし、議員年金もとっくになくなって、厚生年金から外れて国民年金です。現実問題、次回の選挙のためにやりくりして貯金も作らなければならないでしょう。

そんなわけで、率直に言って、議員になって金銭的に良かったと思えたことは一度たりともありません。金額だけ見て「議員って美味しい!」とは思わないほうがいいと思います。

しかしながら、どうしてもインパクトのある数字が独り歩きをするので、厳しい批判に晒されることになります(まあ、覚悟して書いているのですが)。正直、私は今すぐ議員をやめても生活水準を落とさないくらい稼ぐ自信はあるので(?!)、

「お金が欲しくて政治家やってるんだろ」
「誰に食わしてもらってると思っているんだ!」

なんて言われると、「ぐぬぬーっ!!」って思ったりしてます(苦笑)。

一方で、「優秀な人材に働いてもらうために、もっと給料をあげろ!」とも言い切れないのは、やはり地方議会の現実を知ってしまったからです。

色々なニュースで流れている地方議会の不祥事情報。都議会もセクハラ野次問題によって、その程度の低さが全世界に知られることになりました。

最低限、議会に行かなければならない本会議・委員会の日は年に40回くらいしかないし、委員会などの質問でも、ロクに質疑もせずに自分の言いたいことだけ滔々と述べておしまい! なんて議員が現実に存在します。そもそも、質問しない(できない)人だっている。

民間で稼ぐむずかしさを知っている身としては、そんな議員たちにまで一律で1,600万以上の報酬が払われるのは、やはり大きな疑問に感じざるを得ません。

「横並びはやめて、成果や働きに応じた報酬を!」

というのがもちろんベストなのですが、政治家の成果や実績と言うのは非常に目に見えづらいもの。

議会活動や政策活動は何もしていなくても、足繁く地元の会合や行事に顔を出している政治家の方が、「地域のために働いてる」と評価されているのも現実です。

そんなわけで、月並みな結論なのですが、議員の給料が高いか低いかは、個々に有権者に判断してもらうしかありません。

給料分働いている議員は当選させるし、さもなければ落とす。

そういう疑似的な「市場原理」を、選挙というものを通じて実現するしかないんだろうなーと感じています。

そのためには、できる限り判断材料となる情報を増やすこと。私は単に議員の給料の額面を煽り立てるだけではなく、その実態や使用用途、そして自分自身の活動についても極力公に発信し、皆さまの審判を仰ぎたいと考えています。

ただ、国際比較や制度的な問題を検証して、「これくらいでみんなやればいいんじゃないの?」という数字を示すことは政治側の義務だとも思うので、それは引き続き検証していきます。

取り留めもない話になりましたが、祝日なのでお許しください。

それでは、また明日。

おときた 駿
◼︎おときた駿プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。

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編集部より:この記事は都議会議員、おときた駿氏のブログ2014年12月23日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださったおときた氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。