タリーズ党に期待したいがボンバイエな不安炸裂

新田 哲史

※松田公太氏が創業したタリーズジャパンの店舗(東京・港区、筆者撮影)
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どうも新田です。自分の子どもにキラキラネームは付けたくはございません。
ところで政界では、爺世…もとい「次世代の党」だとか、「メロリンQとゆかいな仲間たち」(うそ)とか不思議な新党が次々と誕生しているわけですが、みんなの党が雲散霧消してその動向が注目されていた松田コータさんがこれまた「日本を元気にする会」という新党を結成されたようです。いや、どうせなら「タリーズ党」とか「タリーズ&スポーツ平和党」とかだと覚えやすかったんですが、とりあえず、都議会からはおときた君が入店…じゃなかった、入党されるということで短いフリーター生活も終わりのようです。

松田・猪木氏ら新党「日本を元気にする会」設立
昨年解党したみんなの党に所属していた松田公太参院議員ら4人と、次世代の党に離党届を提出したアントニオ猪木参院議員が新党「日本を元気にする会」を設立し、8日午前、東京都選挙管理委員会に届け出た。(15年01月08日 読売新聞)

【お知らせ】日本を元気にする会(元気会)、結党届を提出されました
「松田公太さんが新党つくったみたいだけど、どうするの?」
というお問い合わせを多数いただいておりますが、
先ほど結党届が提出されたこの党に加わる所存です。(15年1月8日おときた駿ブログ)

コータさんと猪木さん以外の顔ぶれを見渡すと、最初に目に付いた名前が山田太郎さん。山本太郎でもやまもといちろうでも山本一太でもドカベンでもありません。コータさんほどは有名ではありませんが、IT企業を一代で上場した起業家出身。都知事選の折はお忙しいにも関わらず、私の行き付けの麻布界隈の鉄板焼き屋で家入一真とツイキャス中継対談をしていただきました。品川駅前の朝立ちで「何万人もスルーされるのって心が痛むよ~」とぶっちゃけていただき、その選挙体験談が面白かったので、私も東洋経済オンラインの記事を書いた際に引用させてもらいました。

ほかには、国鉄から中途採用の内閣府ノンキャリア出身の井上義行・参議院議員、理学療法士出身の山口和之・参議議員という、ユニークな経歴の方々なようです。

記者会見の記事がまだウェブに流れてこないので、基本政策についての論評・分析は今後にしたいと思いますが、おときた君が合流したあたりを考えると、旧みんなの党の政策をベースに彼の言うところの「小さな政府×保守」な考え方であると思われます=図参照=。
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特徴的な支持層として想定されるのは、「ロスジェネ世代以下の若者×東京都心部のライフスタイル志向者×ITリテラシー高め(≒新経連的ニューエコノミー)」の層。地域別だと「港区のリア充には支持を集めるが、足立区では不人気」といったことが思い浮かびます(=10年参院選でコータさんは共産・小池氏に下町地域で下回るも都心部等で盛り返し滑り込み初当選)。ウェブメディアの志向性ならアゴラや東洋経済オンラインの読者層、ニュースアプリならNewspicksのユーザー層と親和性が高そうに思いますが。

そういうわけで東京都民の“ハイエンド層”を重点ターゲットにした新党が出来たのかと期待したいところですが、“票田”になるように思えたNewspicksのユーザーコメントを見てると実に不人気。一般人のコメントを貼りつけると佐々木編集長に怒られそうなので内容だけ転載しますが、ざっくり言うと「猪木不人気」な評価が多いようで。

「松田公太さんまじかー。猪木いなければ応援できたんだが、五人かき集めるために手段を選ばなかったのか。」

「これだけ沢山の政党が有りながら、どこへも合流は出来ず、しかし猪木議員と一緒になれる政策提案とは?」

「最近政治の場がリングに見える。プロレスより酷い茶番ばっかり」

お、おう…。「元気ですかー?」と呼びかけたらアイスピック級の冷たい視線がリング外から飛んできそうです(汗)。

マジメな話をすると、数合わせで猪木さんを強引にアサインしたように見えることへの疑問もあるのですが、「少数でも全員政策通」というブランディングを取るべきだったのが猪木さん一人のために揺らいでしまっている。さらに肝心の政策が一致できるのかへの懸念も払しょくできていない。

いや旧みんなの4人はいいんですよ。問題は猪木さん。たとえば北朝鮮問題。上記でマッピングしましたけど、猪木さんは長年かの国と親しいことは有名で、言わずと知れた強硬派の次世代で波紋を広げたのは記憶に新しいわけです。振り返れば、みん党の結束にヒビが入り始めたのは集団的自衛権への対応で割れたことがきっかけでしたね。みん党は「経済政党」なので憲法や外交、安全保障等の国家観や理念まではきちんと詰めていなかったことが瓦解の一因だったわけで、そのあたりの教訓を踏まえているのかどうか。一応、コータさんの北朝鮮政策への考えをググってみると次世代の方々ほどではないにせよ厳しい態度でいることが伺えます。

指導者が変わったとは言え、北朝鮮の思考回路が変わっていないことは、この2年半で実証されているのです。拉致被害者を一人でも多く救出し、その後の核開発放棄等へ駒を進めるには、短期的な政権支持率の思惑などは脳の中から完全に払しょくし、長期的な観点で、相当したたかに進めてもらわなければなりません。(14年7月1日 松田公太ブログ「北朝鮮くん」

とりあえず、有権者から「ボンバイエ(殺っちまえー)」と言われないよう、まずは一体感を出せるかが試金石。あとは、おときた都議が猪木さんのビンタを食らうシーンをニコ生で中継してもらい、当方はタリーズブラックを飲みながら生温かく見守りたいと思います。ではでは。

新田 哲史
Q branch
ソーシャルアナリスト/企業広報アドバイザー
個人ブログ