アゴラ研究所の運営するエネルギーのバーチャルシンクタンクGEPR(グローバルエナジー・ポリシーリサーチ)はサイトを更新しました。
今週のアップデート
1)間違いだらけのNHKスペシャル「メルトダウン・知られざる大量放出」
NHKが昨年12月21日に放映した「メルトダウン・知られざる大量放出」という番組があります。放射性物質の大量放出が4年経過して明らかになったという内容です。しかし専門家が見ると、間違いが多いとの指摘です。4年も経過して、原子力情報について誤った情報が拡散するのは困ったこと。NHKの猛省を求めたいものです。
2)電力料金の上昇、困窮する産業界の声を聞く–原子力国民会議から
電力料金の上昇が経済に悪影響を広げています。それを批判し、原発の合意を重ねようとする民間団体の原子力国民会議の集会を取材しました。原子力に対する情報は多いものの、経済的利益の面からの情報は少ない状況です。こうした意見を受け止め、議論を深めることが必要です。
3)原発再稼働の手順を考える-第1号「川内モデル」から見えた無駄の多さ
再稼働が遅れています。原子力規制委員会の審査の全体像の検証を行った記事。部外者が見ても無駄と思われる手続きが多く、遅れるのも当然と思います。書類数は3万6000通。まともな対応ができるとは思えません。
4)無資源国・日本は侵略に弱い-脱原発のできなかったウクライナから考える
GEPR編集者の石井孝明が、昨年11月にチェルノブイリ原発とウクライナを訪問。大事故を起こしたのに同国ではなぜか原発を容認している不思議さを伝えています。
15年1月13日公開。チェルノブイリ、ウクライナツアーを企画した、作家で出版社ゲンロンの社長東浩紀さん、ロシア文学者の上田洋子さんに登場いただき、その現状、政変が起こり、戦争状態にあるウクライナ、そしてそこから考える福島原発事故の未来についてうかがいました。
今週のリンク
1)原子力規制委員会によるバックフィット規制の問題点(上)(中)(下)
GEPRの14年2月の池田信夫アゴラ研究所所長の論考。原子力規制委員会の手続きでの法律上の問題について、分析しています。
アゴラ。池田信夫氏のコラム。九州電力川内原発の再稼働差し止めを求める訴訟で、九電側が再稼働の遅れの場合に1日5億5400万円の損害を被る」ので「妥当な金額」の担保金を積み立てたところ、取り下げ者が続出したとのことです。コラムは強い言葉を使った批判ですが、こうした損害を直視することが必要でしょう。
3)<原発現場と対話しない原子力規制委・規制庁>安倍政権はコスト度外視の原子力規制の行政実務を改善する解決策を提示せよ
政策家石川和男氏のコラム。原子力規制委員会の行動が、独善的になっているとの批判です。この問題について、有識者がそろって同じ批判をしているのに、同委員会はなかなか改めません。
読売新聞1月18日社説。まもなくエネルギー比率の議論が始まります。経済負担、安定供給不安になっている現状を指摘し、その活用を指摘しています。政府の腰の引けている様子も批判しています。総じて妥当な見方でしょう。
日本経済新聞1月17日記事。国際的に知られるエネルギーアナリストのダニエル・ヤーギン氏の分析です。原油価格の抑制、シェールガスの生産拡大は続くという分析です。